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一生忘れない。ベルギーで見た家族の話。

こんにちは😊ドイツ留学中のアミです!
先週末、旅行でベルギーに行ってきました。今日はその時の話をしたいと思います。
内容的に少し重く、暗い話になるので、苦手な方は私の昨日の記事をどうぞ(笑)

今日書くのは題名の通り、私がベルギーで出会った1組の家族のお話です。



彼らとは私がアントワープの街を歩いているときに出会いました。

彼らは4人家族。
ざっと見た感じ、父(35)母(32)娘(7)娘(5)くらいの年齢でしょうか。

彼らは座っていました。
固い固いコンクリートの上。

気温は2度くらい。
寒い中、2枚の毛布を4人でかけながら座っていました。
彼らの前にはお金を入れる紙コップが一つ。




そう。彼らは物乞いでした。



物乞いを見ることに関しては特に驚きませんでした。
なぜなら、今までの人生、何十回も物乞いの方を見てきたからです。

私は驚いたのはその若さと人数でした。

自分が今まで見てきた物乞いの方で多かったのは、
老人、手や足がない方、母と子2人、などのケースでした。

四人家族、しかも若い四人家族。
一見して彼らが負傷して働けないなどの様子は見受けられませんでした。
少し痩せてはいるものの、至って健康そうでした。

なぜ?と思いました。
彼らが取る選択肢は、4人揃って物乞いすることしかなかったのだろうか、と考えてしまいました。
例えば片方の親だけが働いて残りの3人は住居が見つかるまで物乞いするとかはできなかったのかな、なんて考えてしまいました。



例えば、日本の若い四人家族が同じような困窮状態に陥ったとしたら、以下のような行動をとるのではないかなと思います。
①母方、父方のどちらかの祖父母を頼る。
②とりあえずバイトを始める。またはハローワークで仕事を探す。
③生活保護を申請する。
④NPOに相談する。
➄子どもを施設に預ける。

もちろん社会システムが違うので、日本の場合と比較するのは微妙かもしれませんが、少なくとも自分の経験や価値観から判断すると、彼らの状態は衝撃的でした。



さらに印象的だったのは2人の娘さんの瞳でした。
「虚ろ」と表現するほかない、生気を失った目をしており、心がギュッと苦しくなりました。
そのわりにお父さんの目には、まだ光がありました。
なんなら明るくも見えました。正直「なんで?」って思ってしまいました。



きっと彼らには私の知らない事情があるのでしょう。
しかしどんな個人的な事情があるにしろ、彼らが物乞いとならざるを得なかった要因は、きっと、私たちの社会とは無関係ではないはずです。



社会保障分野において、「セーフティネット」という概念があります。
これは「安全網」と訳されるように、経済的なリスクが発生したとき、最悪の事態から保護するしくみのことを指す言葉です。個人のセーフティネットは、前述の生活保護・ハローワークや雇用保険などのことを指します。

彼らを守るセーフティネットはなかったのでしょうか。
どう頑張っても物乞いになることしか選択肢がなかったとしたら、これは大きな社会問題として認識する必要があると思います。

私は大学のゼミで貧困について学んでいますが、日本人も他人事ではありません。近年日本はどんどん格差社会となってきています。
特に私たち若者世代の貧困リスクは非常に高いです。
もし興味があれば、この記事や「貧困世代」という本を読むことをおすすめします。


これからベルギーはもっと寒くなっていくでしょう。
彼らが生きていけるのか心配になります。
ベルギーから帰ってきた今でも彼らのことを考えてしまうくらい、自分の中で非常に印象的な出来事でした。


それでは、今日の投稿はここまでです。最後まで読んでくれた方、ありがとうございました♡




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