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倉庫内バイト・今日のもやもや「出勤簿はいづこ」

わたしはアルバイトをしている。

倉庫の中に蓄積された品物を出荷に向けて動かす仕事だ。

伝票に従って品物を取り出し、箱に封をして、トラックの荷台へ送り出す。

その日々の中で起こる小さなぶつかりやくいちがいのようなものを、砂粒を一つ一つ拾うように、行に流し込む。


出勤すると、名簿に出勤時刻と退勤時刻を記入する。

今日はその用紙がなかった。

社員に尋ねると、紙が来ていないから後で書いてほしいと言われた。

終業時刻、まだ紙はない。

同じ社員にまた尋ねる。

書いておくのでと言われて分かりましたと仕事場を後にした。


普段はあるものがない、

普段の行動が取れない、

こういうとき、この職場ではできるだけやり過ごすことを自分に求めてきた。

頑張ると続かないから。

エネルギーを温存し、出勤日に出勤する。何ヶ月も継続して働く。
それを重視した。

それにもかかわらず今日用紙のことを尋ねたのは、自らの出勤が予定より早かったからだ。

事前に申告し受理された勤務時間より早く業務を開始することができるので、その日は1時間早く始めていた。

それがきちんとその日の給与に反映されるのか不安を覚えたのだ。

けれど「書いておくので」と歩きながらこちらを見ずに答えられては、食い下がるという選択肢もなく、わたしは逃げるようにその階の出口に向かった。

出勤したときにどの作業に加わるか指示を仰いだ社員だったから、出勤時刻を把握してくれているのだろうと推測して、

この小さなもやもやは呑み下すことにした。


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