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むきむきの殿方をふわふわのリボンで飾るおこないについて Summer Vacation

イメージを具体化するのも楽しいけれど、それはそれとしてコンセプチュアルに振ったものも作りたいなと思った。いよいよ誰に頼まれたものでもなくなってくるけど、かわいいものをかわいいと正直に信じることの強度と缶バッジを飾り付けるためにできることが増えてうれしいという話。

●◎●前回までのあらすじ●◎●

ひょんなことで推している殿方二人(DDTプロレスリング所属の上野勇希さんとMAOさん)の缶バッジを手に入れた私は、ロゼットを自作することが楽しいと思うようになったのであった。

●◎●前回までのあらすじ ここまで●◎●

時は5月。アンティークのリボンを手に入れた。ベージュの落ち着いた色味がかわいいし、年代物の風合いが独特でかわいい。
夏も近づいてなんだか涼しげなものを作りたいという気持ちになった。しかし、コスチュームのイメージを保ったまま作るのは難しいのではないのかなとぐるぐる考えて考えて。

画像右のものです

そう思っていたら完成したのは9月。残暑!
組み合わせが難しかったのだ。ファブリックのリボンには同じく生地系リボンが合うと気づくのにしばらくかかった。ベースがリネンのリボンと決まってからは早かったのだけど、素材の組み合わせを新たに作ることは自分にない引き出しを作るようなものなので時間がかかる。

その他にも、完成させるまでに思っていたことをつらつらと。だから今回書いていることは、推し活という名前で括ることよりも、少し内側のことかもしれない。

好きに作るということ

少し話が飛ぶ。

去年くらいに通販のおまけで、過去販売されていたピンズがついてきたことがある。数年前のもののようで、過去所属のユニットだったり、今はレギュラーでの活動ではないロゴが入っている。掘り出し物をおまけにつけてくれて良かったのだろうか、ありがとうという気持ちがありつつこれもまた例に漏れずデコることにした。

レースのギャザーとシックなプリーツ
リボンはダブルでボリュームを出すとかわいい

六角形なので少し作るのにコツがいるなと思いつつ、ピンズをデコるときは「好きに作ろう」という気持ちがあった。会場に持って行くわけではないから、自分のやりたいことを試してみたいが練習で素材を減らすということがもったいなくて全部実践にしたいから。

イメージを具体化したらどうなるかと考えて、リボンを組み合わせることは好き。それが上達することはうれしい。けれどそればかりだと、今回はそうじゃないなと選択しなかったけれど、かわいいことには変わらないもの達の行き場も欲しくなる。だからそれはそれとして、こういうテイストのものも好きですと自分で自分のかわいいを彫り上げていく場を作ることも大切なように思う。

大人っぽいかわいらしさと幼さのあるかわいらしさ、どっちも好きだなと思う。個人カラーをアクセント的にきちんと入れれば、デコ部分全部がモチーフとするものに沿っていなくても個人と紐付くのだなと思えたのは、今後度胸のあるデザインができることに繋がる気がして、経験はなんにでも活かせるなと感じる。

保留中のうるうる缶バッジケース

夏のお嬢さん痛ロゼット

今回のスターターパック

今回作ったロゼットの話に戻る。夏っぽいロゼットを作りたかったのだ。

最終的に、みっちりプリーツ四段重ねのロゼットになった。とはいえシフォンのレースは厚みに影響が出ないので、0.5段くらいの感覚。リネンリボンはやわらかな質感なので、プリーツを詰めて縫っても重さは出さずに立体感を出せるので良かった。
四段目のアクセントカラーはくすみカラーにして、うるうるのビーズやパールの花パーツを足すことで少し大人っぽくなるようなイメージを。あと土台のフェルトを2mmのものに変更した。1mmのものでも十分なのだけど、耐久性や手にしたときの安定感が欲しかったので厚みを足した。

ところでロゼットを作るにあたって、あえてやっていないことがある。

  • 派手なテールを作らないこと

これは痛ロゼットを出す場が会場でポーチにつけるくらいなので、持ち歩きの際にどこかに引っかけそうだなあと思うから。ポーチも小さいのであまりにロゼットが縦にデカくなると、それはそれでアンバランスになる。

持ち歩き例

もちろんいつか何かの理由をつけてやりたいなと思いつつ、現状気乗りしないのでそのままにしている。だからぶら下げパーツには慎重なのだけど、逆にリボンパーツは今後もっと上達したかったりもするから不思議。リボンたくさんつけまくるロゼットもかわいいかもしれない。

今回のロゼットは色味こそ本人に準拠しようとはしているけれど、ロゼット自体のコンセプトをプロレスから離れたところに決めてしまっているので、少し度胸が必要だった。そもそもMAOさんは現行コスチューム的にそろそろピンク主体から黒主体に切り替えた方が良い気がするタイミングでもあったし。

しかし、そのうちに何に対して何を気にしているのだろうとも思うようになった。気になるのはひとまず、もちもちほっぺ缶バッジをかわいくデコれるかどうかだけでいいように思ったのだ。

推している殿方は会場で見かければ、うわでっかすっごい……の気持ちになり、試合を見ればなんやこれすっごい……の気持ちになる。元気とか活力とか、そういうものが見た後に残る。だから好き、シンプル。

むきむきの殿方のグッズをかわいくデコるのは楽しい。自分のやっていることは応援なのかはよく分からないのだけど、人の応援の形を見るのは好きだ。会場の声援、イラスト、ボード、お花、写真、添えられたキャプション、レポ、怪文書、コメント。その人が考えて発したもの、考えていた時間がどれも眩しいと思う。私はそれらでできることの中に縫いものがあった、それぐらいに考えておいた方が身軽でいられる気がする。

完成

完成したロゼットは今までより少し大人っぽいかわいさ。そしてできていることがまた少し増えているうれしさ。もっとよくできる、すごいものは知ってるけれど、自分の伸びしろの埋まったところを実感できることがまず重要だと思うから。時にはこういう少し違った挑戦を。

ところで最近になってロゼットの作例に磁石がついている意味をやっと知ったから次回に活かしたい。

それではまた。

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