職場の厚顔無恥な不遜人間にやり返してしまった話2

 前回のおさらいから少し書くことにします。

 件の女性は、自分が正職員上司の指示でもない話を勝手に持ち出してきて私たちチームの作業をやめさせようとしたことが、独自の指示になっていることを私に指摘され、そのまずさに気づいたようです。そちらチームの上司を伴って、私に一晩かけて考えた辻褄合わせの話をしにきました。誰も確認できないのをいいことに、嘘に嘘を重ねて。

私「あなたが“班全体の方針”としている話を、私たちチームだけ聞かされていないのはなぜか。その“方針”とやらが指示理由なら、なぜ最初にまったく異なる指示理由を私たちに伝えたのか」

件の女性「方針の話は、我がチームのリーダーによってそちらチームに知らされていると勘違いした。すでに伝わっていることを前提に、当初の指示内容だけを伝えた」(←“方針”は共有されていると思っていた、なので自分発信でその話をしたわけではないという訴え)

以上が前回までの流れなのですが、ここからちょっと脱線します。“方針”の内容をどこまで明かしてよいか迷って「かくかくしかじか」と書くにとどめてきましたが、やはりどうにもわかりずらいので、書くことにします(きっと職場の人がこのnoteにたどり着くことはないことを信じて)。この“方針”とやらは「今年度から人員減になってしまったため、これまで行ってきた業務を遂行できなくなりました」ということを上層部に知らしめるために、とある業務を班全体でボイコットする、ということのようです。

前回「情報が錯綜したために、私チームは結果的に上司の指示に反してしまった」と書きましたが、それはつまり、私チームがこれまで通り業務をやれてしまったので、結果的にまったく一枚岩が成立しなくてボイコットが未遂に終わった、という、どうにも間抜けな出来事なのです。私チームの人数は昨年度と変わらずだったこと、なんならもっと目が回る状況だってあったのですが非常勤リーダーは前述のとおり、とにかくめちゃくちゃ仕事ができるので、段取りを組み直したり、作業スピードも倍速にしたり(通常速度だってかなりなのに、そして人力なのにどうやっているのだろう)、隙間時間をどうにか活用したりして、決められた業務はこれまでだってずっとずっとやってきたのです。

脱線ついでに、もう詳細に書いてしまうことにします。

件の女性は当初「こちらチームの上司と“きょうは成果物を受け取る庶務がパタパタしているので、庶務に収める業務はしなくてもいいんじゃない?”という話になった」と伝えてきたのでした。これを私たちチームは「もし庶務が受け入れ可能なら(通常どおり)してもよい」と捉えたのでした。

というのも、班内は3チームに分かれているのですが、これまでも「このチームは成果物アリだが、他のチームはきょうはナシ」は普通にあることでした。成果物を庶務に収める曜日はあらかじめ決まっているのですが、決められた日に必ず全チームの成果物があるとは限らない上、検品が間に合わないときや分量が少ない時などは見送りにして、次回分とまとめる判断も各チームに任されています。足並みが揃うわけもなく、またその必要性もまったくないものとして行われてきた業務です。アリのチームは「きょう収める成果物と分量はこれこれです」、ナシのチームは「うちのチームはきょうはナシです」と各々LINEで報告し、アリのチームは各々成果物を指定の場所に収めます。これまでに何度か「収める業務、きょうはナシで」「収める時刻が変更になりました」という日もあったのですが、庶務からのその指示を受けるのも自チームの上司を経由して、逆にこちらから不明瞭な点を確認する際も、必ず自チーム上司を通じて確認を取ってきているのです。

この経緯に加え、件の女性が伝令として来るより数分前に、件の女性チームの非常勤リーダーが私たちの作業部屋にやってきて「年度が替わったから、収める業務のやり方について昨年度どおりでいいのか上司に聞いてみたところ、いいとのことだったよ」と伝えられていたのでした。

必死のスピードで検品しながら「これではどの情報が正しいのか、わからないですね。自分たちの上司に確認しましょうか」とリーダーに聞いてみたところ「この検品が間に合うかどうか、微妙な進捗具合だから、もし検品を終わらせることができて、確実に収められると確定したら確認しよう」となりました。

手伝いをお願いせずともどうにか検品を終えることができた私たちチームは、収納時刻が迫っていたこともあり、とりあえず大急ぎで確認を兼ねた報告LINEを送り、返信を待たずに収納場所へ向かいました。もし「きょうはナシでいいですよ」と返ってきたら、収めに行く途中で引き返すか、もし収めたあとに返信が来ても、置いたものを引き揚げればよいだけのことなのです。「きょうはアリでOK」なら、いつも通りのことがいつも通りに行われただけです。

数分後、指定の収め場所に収めて作業場へ戻ってきても、返信はありませんでした。代わりにと言ってはなんですが、まったく歓迎できない件の女性が、鼻息も荒くツカツカズンズンとやって来て「泥泡さんチーム、収める業務やったんですか⁉ うちもやらないといけなくなるんですけど」とえらい剣幕でのたまいやがったのでした。

話がまったく読めずに、なぜ? 今まで各々でやってきたし、一度だって「足並み揃えましょうね」なんて話になったことないはずですけど…と首を傾げると同時に、このあまりに高慢な物言いと態度にみるみる怒りメーターが振り切れそうになった私に、非常勤リーダーから間髪入れず「泥泡よ、すぐに自チーム上司に電話して確認してくれ。誰が何をどう言っているなどと説明しなくていい。作業がアリかナシかだけ聞くんだよ。いつも通り収める場所に収めてきてしまったので、もしナシならすぐに引き揚げるとも伝えて」と指示が出ました。あの時と一緒だ、リーダーはいつだってとにかく絶妙なタイミングで切っ先を制するのです。

件の女性には「うちのチームの上司に確認する」と伝え、急ぎ上司に電話をして情報が錯綜している。アリかナシかを教えてください、と指示を仰ぎました。上司が庶務に確認してすぐに折り返してくれることとなり、しばし返信を待ちます。それにしても「貴様チームがしたら、うちらチームもやらないといけなくなるんだよ」の意味がまったくわからない。どういう理屈なのか問うてみました。すると件の女性がべらべらと話したのが、例の“方針”の話で、せっかく鎮静した私の怒りは静かに振り切れて、リーダーとの約束を破り、相手を詰めてしまったのです。

件の女性は「作業ナシ、ということは、うちのチームの上司の“方針”で、これはボイコットなのだから全員でその業務を辞さないとといけないのだ」と興奮気味にまくしたてました。なんとボイコット。まったく聞いていない話。一気にきな臭い。不穏。方針とは。こんなに強制力が働くほどの、班全体にかかる強烈な“方針”ならばなぜあなただけが知っていて、私たちには知らされないでいるのでしょう(=あなたがただの日常会話で聞かされた話を“方針”とか勝手に認定しているのじゃないか)。あなた最初に庶務がパタパタしているので、と私たちに説明しましたが、なぜその方針の話をしないでそんな激弱理由を伝えてきたのか。どんな意図があって“方針”を隠すような真似をするのか。

…と、このようなことを、抑えきれない怒りを抑えきらずに伝え、そして「班全体にかかる“方針”の話なら、あなたの口から話されてよいことではない、話すべき人間がオフィシャルな場できちんと話せ」と重たく言いました。件の女性は、普段から下に見ている私が、抑えに抑えてもなお抑えきれない怒りを表明したことに驚いたのでしょう、少し気おされた様子で「ミーティングで話すように伝えます」とだけ憮然と言って帰っていきました。そうこうしているうちに上司から「通常どおり、業務して報告してくれてOK」の折り返しがあり、結局は普段どおりの仕事をしただけなのでした。

 脱線というよりもはや本線の長さになりましたが、ここでようやく話を元に戻します。件の女性が、あくる日の朝に上司を伴ってやり返しに来たところです。自チームのリーダーには「先に作業に行ってください」と伝えてこちらも臨戦態勢です。リーダーとの約束なんて破りまくりのしょうもなさ。こののち、リーダーにはまたこんこんとお説教をされることになりますが、このときは、私の炎上している目を見たリーダーは、何を言っても聞きやしないだろうと悟り、また自分がいないと現場が回らないこともあり、心配そうに振り返り振り返りしながら作業場所へと消えていきました。こんな日に限って、うちの上司は朝から突発的な年休でこの場を欠席です。これもいつものことです。

ここまで書いてきたことを、相手チームの上司に伝えるために話しました。途中で件の女性が頻回に「ちょっといいですか」と話の腰を折りにきましたが「いいえよくないです」ととりあわず、一連の出来事を説明しました。振り返っても、売られたケンカにしてもここまで適正価格以上のお値段で買うことはなかったです。相手チームの上司は途中から集中力を切らして話についてこれなくなり虚空を見つめていました。ただ「ボイコット」という言葉はこのとき上司の口からは出てきませんでしたが、指示自体は「収める業務はナシで」という意味だったことが判明したので、怒りの合間にも曲解したことを認めて明確に謝りました。

件の女性は、自分がオフィシャルになっていない話を持ち出したことをどうにかなかったことにしようと、一晩練りに練ったようです。以下にまとめてみます。

★なぜ当初と異なる指示理由が後から明かされるのか。
→“方針”の話は自チームのリーダーから伝わっているという前提で「庶務がパタパタしているので」という話も確かに出たので、そのことだけを伝えた。自リーダーに事実確認した結果、「あのこと(=方針のこと)、伝えました?」という言い方で尋ねたのを、リーダーが「あのこと(=年度が替わったがこれまでどおりのやり方でいいということ)」だと勘違いしていた。リーダーが「OK、OK、伝えた」と言っているのを聞いて、方針の話をしてくれたのだと思った。

(私の脳内)その日はボイコットする、業務ナシ、ということをリーダーが私たちに伝えていると知ったなら、もうそれ以上あんな弱い「庶務がパタパタ」という理由をわざわざ後追いで伝えに来る必要があったか? いつも私たちのことを無視して関わりを持とうとすらしないのに。この日だけ変じゃないの。本当は「庶務がパタパタ」しか指示されていないのでしょうに。そのとおり伝えに来ただけでしょうに。

★「貴様チームがするとうちもしないといけなくなる」の真意は。
→うちもそちらに合わせて、急いで成果物を収める準備をする必要があると思ったので、そちらチームがその業務をしたのかどうかを尋ねた。うちのチームのリーダーがそちらの手伝いに行ってしまって、指示を出す人がいなくなってしまったので、うちのチームの優先すべき業務ができなくなった。自分と新人さんの手が空いてしまったので2人で成果物を収める作業をしなければいけないと思った。

(私の脳内)この言い訳はさすがに苦しい。そちらチームのリーダーには、成果物を収める業務は手伝ってもらっていないし、リーダーが私たちの作業部屋に来たのはあなたと私がもめている時よりあと(私が自チームの上司から折り返しの返事をもらって、あなたにそのことを伝えに行っている間に心配して様子を見に来て、うちのチームのリーダーに顛末を聞いていた)のだから。そして、仮にあなたが言っていることが本当だとして「する」方向で作業を進めようとしたというのなら「ボイコット」という単語すら持ち出す必要がないではないか。しかも「収めたのはそのままでいいことになった」とあなたに伝えに行ったあとでも、そちらチームの成果物を収める準備をしようともしていなかったし、新人さんともそんな話をしていなかったし、結局収めてもいない。矛盾だらけだ。そもそも、終業時間まで30分を切っていた。この時間から作業スタートしても間に合わないことは誰の目にも明らかだし、普段から次に回せる作業ややらなくていい作業はすべて絶対にしないあなたが、その時間から何か作業を始めたことなんてないじゃないの。もう帰る準備をしている時間でしょうに。

大の大人が素直に「出過ぎました」と言うこともできない、小学生のようなずさんな言い訳と嘘を堂々と。あまりの幼稚さ、醜さにうんざり、へきえきとしましたが、がっぷり四つに組み合ってこの状況を作ったのは私なのです。同じレベルでやりあっている自分も幼稚で醜い。終わりの見えない低レベルな攻防にほとほと嫌気がさした相手上司が「どちらも仕事の優先順位は間違っていないと思う」という、なんじゃそれなまとめ方をして、その朝のやりあいは終わりを迎えました。異常に疲弊しました。

いつもの作業をしているリーダーに合流して話をしました。「大喧嘩でした」と言ったら一瞬、怒った目になりましたが「今回はあちらがふっかけてきたから仕方がない。しかし相手が何と言ってこようが真面目に応える必要のないことだよ。“へえー、そうなんですね”と嫌味のない態度で言って、とりあわなければいいんだよ」と教えてもらいました。知らなかった、大人はそうやって対処しているのか。自分の稚拙さが恥ずかしいです。

もっと言えば、その日の夕刻、件の女性とすれ違うときにその日に聞いた話の矛盾点をいろいろと聞きたくて話し掛けたのですが「まだその話、するつもりですか! 私これ以上巻き込まれたくない! もう終業時間1分過ぎているんですよ? プライベートの時間ですので! この話は上司に預けてあるので私はあなたとこの話をこれ以上するつもりはありません!」とデカ声激ヒステリーだったので閉口しました。あとでなぜ衝動的に話し掛けてしまったのかと考えてみると、嘘をつかれたモヤモヤを収めきれなくて、問い詰めたかったのだという答えになりました。自分の攻撃性のせい。私のリーダーがせっかく「あちらがふっかけてきたのだから」とフォローしてくれた気遣いすら裏切ってしまった始末です。情けなくて、その日から怒りと情けなさで寝られない日が続いています。それなのに私はまだ愚行を重ねるのです。

そのあくる日の朝、件の女性が何事もなかったように「これ運びましょうかあ~」と話しかけてきたので、いつも通り「大丈夫です」と断りました。これは周りに人がいるときのこの人の常套手段です。周りに人がいるときには挨拶もします。あちらチーム全員に対してかけた言葉にすら笑顔で「ありがとうございますぅ~」と返してきました。ところが、誰もいない空間ですれ違うときにはいつも通り、顔をそむけて無視しようとしましたので、まだぷすぷすとくすぶっている私はむかっぱらにきて、大きな声で「うおおおお疲れさまですーーーー」と言ってみてしまいました。最悪でしょう、この攻撃性。約束どうした。リーダー助けて。もう自分が嫌で嫌で消えてしまいたい。

相手はびくっとして顔をそむけたまま一拍おいて「お、つかれげぇ、さまでスゥー…」と世にも気味の悪い声色でどうにか対応してくれました。醜い。あなたも私も醜すぎる。ヤバイ認定された感覚だけが残りました。

あれから3週間。いまだ傷は癒えず、もうお互い相手の顔も見ずです。怒りはまだまだ鮮度を保っていますし、毎日悔しい。相手チームの他のメンバーからはやたら親切にされるのが余計に悲しい。リーダーからは「仕事で見返すしかないよ、頑張ろう」と精一杯のなぐさめをもらいました。リーダー、約束を破って迷惑をかけて申し訳ないです。でももう駄目だと思う。

今だってこんな夜中までこのことについて書き殴っているのだから、救いようがない。後で読み返して、あまりに些末なことにかかり患ったと笑えたらよいのだけれど。脱線、長文、支離滅裂にお付き合いいただいてありがとうございました。推敲なんてせずに公開だ、えい!


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