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【歌詞】火の舟

火の舟 詞 とりふね
(留美さんの何かの曲につけた。)

走る 走る
彼女の眠りそのものが走る
追いかける僕は
その尻尾さえ
掴むことができぬ

眠りの底に
河が流れ
ところどころで
渦を巻き 逆流する

河の上を舟がゆく
逆流に沿うて
河上へとすべる

眠りの闇のなか
燃えながらさかのぼる

彼女が火をつけたのだ

死者を祀る炎にしては
朱すぎる 明るすぎる

火の粉が
mezzotintoの闇に
撒種される

この闇を吸ったなら
僕の肺は
焼け焦げてしまう

浅すぎて
深すぎて
速すぎて
過去

重すぎて
軽すぎて
硬すぎて
現在(いま)

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