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第百八十三夜 『アバウト・タイム 愛おしい時間について』

「今月の3日からノンアルコール状態を保っていますので、身体がスッキリしております。月末に健康診断もありますし、健康と仕事に全振りしております。」

健康診断を今年から導入するアメリであるが、それは1番のリスクを回避するためのものである。
彼と私の健康面である。会社が自走するまでに我々が倒れてしまうことがアメリという会社における一番のリスクになってしまう。

そんな話を彼としたことを思い出す。
しかし、彼のアルコール断ちの主要因は来たるトライアスロンに備えてのものであろう。

「心なしか毎日送られてくる食事も健康的なものが増えてきましたね。」

彼はお酒を飲むとある種の悪癖が出る。
それは暴食をすることがあるということだ。

明け方にウーバーイーツを利用しつけ麺を頼んでいたこともあった。
奥方と籍を入れてからというもの、それもだいぶ減ったので現在は心身共に充実しているのであろう。

「時間と健康は人生において重要なものですからね。それらが充実していれば生涯を共に過ごす大切な人と出会い、その大切な人生を守ることができます。」

彼はこう言った物言いを臆面もなく言えるのである。

「お仕事をすることでたくさんの方々に貢献することもできます。だからこそ、私にとって『時間』と『健康』が大切なものになるんです。」

彼はそこまで言うと満足げに作業に戻った。
私は彼のその先の言葉を知っている。あえて本日は言わなかったのだろう。
衆知の事実ですよねと言わんばかりだ。

「時間と健康があれば、目標と夢を持つことができ、それを叶えることができます。」

齢46を越えた彼にとって時間と健康という財産は私よりも貴重なものに感じていることだろう。

同じ時間を消費しながらも人々は時間の価値をそれぞれの物差しで計る。
時間は人によって同様の価値ではないのである。

健康に関しては私の方がよほど健康診断の数値は悪いだろうが、年齢を重ねるごとに自浄ができなくなる健康という資産に対する感じ方も違うのであろう。

より濃い時間を。より健康に過ごす。

これが人生の醍醐味なのかもしれない。

物語の続きはまた次の夜に…良い夢を。

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