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コロナ禍の旅

こんなことを書いたら顰蹙を買うかもしれないけれど、先週末、一時的に旅を解禁した。自宅から羽田空港までは、ちょっと電車やバスに乗るとすぐだから、パッと思いついたら飛行機に乗ってどこへでも行けてしまう。

東京では、まだ新型コロナウイルスの感染者が毎日50人程度出ていて、週末は自宅でおとなしくしているのがきっと正解。でも、旅好きのわたしは、夫との会話で「そろそろ旅したいね〜」と話に出してしまった以上、もういてもたってもいられず、この始末だった。

すぐに宿を手配し、飛行機に乗ってビューン。行き先は福岡。もちろん、夫と2歳の息子も道連れだ。

巡ったのは、福岡市動物園とかマリンワールド海の中道とか、息子が喜ぶところばかりだったけど、それはそれで、とてもよかった。

動物園は暑すぎて、シマウマ、ダチョウ、チンパンジー、キリン、サルを見て強制終了。山道のアップダウンと湿気にやられて、イライラがどうにもこうにもコントロールできないと判断した結果。福岡の湿度を完全になめていた。

冷気を求めてギフトショップに立ち寄り、息子のお土産に、日頃から集めている動物のフィギュア(この動物園で見ていないライオンとトラ)を買った。そして、レストランで息子はソフトクリーム、大人はビールを飲み、動物園の見学終了。わはは。

夕食はホテルの近くのショッピングモールでお寿司を食べ、ホテルのラウンジでカクテルを1杯。2年ぶりの外で飲むカクテルの美味しいこと。息子は大好きな果物にむさぼりついていた。

部屋では一緒に湯船につかり、カートューンチャンネルをしばし観て、「さぁ、ねんねのじかんだよ」と言うと、それまで陽気だった息子が「あっち、あっちー!」と言いながら口をへの字にして、入り口のドアを開けようとする。そして、「おうちー、おうちかえるー! あっちー!」と大号泣。普段と違う場所で寝るのは、嫌なのね。うん、わかるわかる。

1日中ほぼ抱っこで歩き回ったのに、まだ今日の抱っこは終わっていなかった。落胆する気持ちを隠しつつ、13キロ超えの息子を抱っこで寝かせた。時間にして30分。息子は、ベッドに下ろしたそのままの万歳姿で、しばらくピクリとも動かず爆睡した。

さぁ、これから大人の時間だよ。コンビニで買った缶ビールをプシュッと開けて、窓一面に広がる福岡タワー付近の素朴な夜景を見ながら、夫とゆっくり話をした。こんな穏やかな時間、妊娠してから初めてだったんじゃないかな。

これまでは2人で旅してきたけど、1人増えた家族で旅するのも、疲れるけど楽しいねと──そんな話を。それから将来の家族像やお互い思っていることを言い合い、感謝の気持ちも素直に伝えられた。

産後、なかなか思うようにいかなかった育児と日常生活の狭間で葛藤し、ギクシャクしてガチガチに固まってしまっていた夫婦の関係が、ようやく溶けはじめたように感じた。

旅、2日目。ホテルの近くから船に乗り、マリンワールドへ。生き物が大好きな息子へ、昨日の動物園のリベンジも兼ねてプレゼントだ。暑いけれど、屋内で過ごせるから、夏の家族旅には最適な場所だった。

「イルカ、びっくりしたねー。ジャンプしたねー」初めてイルカのショーを観た息子は、手をパチパチ叩きながら、大喜び。ショーが始まる前にはブルーハワイのかき氷にご満悦。

ここでのお土産は、ケープペンギンのぬいぐるみ。間近で見たペンギン、可愛かったね。息子の胴体くらいある、そのぬいぐるみ。「じぶんでもつー」と言って、電車移動中も胸に抱えていた。

帰りの飛行機は15時。お昼ごはんを目前に眠りについてしまった息子を夫が胸にかかえつつ、福岡空港でゆっくり食事。ビールでお疲れさまの乾杯もできたね。

小さい子どもを連れた旅は、子どもも大人も、ご機嫌最優先でいい。それが我が家のポリシー。今回の旅も、息子の大好きが詰まっていたし、大人も要所要所で自分たちへのご褒美を忘れなかった。

最後に、この旅で、息子とわたしの「ツーショット写真」を、何十枚も撮ってくれた夫。中には気づかないうちにシャッターを切ってくれていたものもあり、自然体のいい顔をたくさん見つけた。夫は、かねてからのわたしの希望を、覚えてくれていた。ありがとう。

次に飛行機に乗るのは8月の予定。実家への帰省だ。今日の東京の感染者は100人超え。連日増えている感染者数にゾッとする。しばらく、不要不急の外出は控えよう。




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