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知っておくべき、投資に役立つ重要キーワード17選【米国株編】①FRB

米国株投資への関心が高まる中、アクセスが容易になったきたとはいえ、「業界独特の言い回し、掟(おきて)」「英語の略語、カタカナ表記」など、『言葉の壁』に阻まれ、行動を起こせない方も多いのではないでしょうか?そんな方のためシンプルな用語集をnoteで、日々提案して行こうと思います。ドジャーズの翔平君あやかって、17選としていますが、最終的に何選になるかわかりません。😅

FRB

世界で一番影響力のある組織

日本では米国の中央銀行システムをあらわす用語とし中央銀行機能の総称であるFederal Reserve SystemやFRB(連邦準備制度理事会=Federal Reserve Board)の頭文字3文字を略称としたFed(フェッド)も特段区別なく使われているようです。

  1. 連邦準備制度理事会(FRB=Federal Reserve Board)は7人の理事で構成され、議長は大統領が指名し、上院の承認を得て任命されます。

  2. FRBという略語は、連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board)と連邦準備銀行(Federal Reserve Bank)の両方を指す場合があり、文脈によって区別する必要があります。

  3. FOMCは金融政策の最高意思決定機関で、FRBの7人の理事と5人の地区連銀総裁で構成されています。

  4. 12の地区連邦準備銀行は、それぞれの地域で中央銀行の機能を果たします。

このシステムは、金融政策の決定と実施、銀行監督、そして金融システムの安定性維持など、重要な役割を果たしています。

連邦準備理事会の、7人の理事の任期は14年間です。理事の中から議長と副議長が選ばれ、それぞれ4年の任期を持ちます。議長・副議長・理事は、大統領によって上院の助言と同意を得て任命され、金融政策の策定と実施を担います。

FRB議長は「アメリカ合衆国において大統領に次ぐ権力者」とされ、その発言は市場や世界経済に大きな影響を与えます。さらに、FRBは大統領に対して最も強い独立性を持つ政府機関とされています。

2つのマンデート(責務)

FRB( Federal Reserve Board)は、各国の中央銀行と同じく金融政策を狙う組織として存在しますが、FRBの金融政策運営のユニークな点として、2つの責務(デュアル・マンデート:dual mandate)が課せられている点があげられます。

これは、各国の中央銀行が主に、「物価の安定(stable prices)」を一義的責務を担うのに対し、FRBにはもう1つ「雇用の最大化(maximum employment)」という責務があることを意味します。パウエル議長のFOMC後会見等でも常にこの2つの責務に対する部分が重要視されていることからも明らかだと思います。
FRBは1913年に発足しましたが、FRBの設立を規定している連邦準備法(1913年~)には、当初、雇用の最大化や物価の安定というマクロ経済を安定化させる目的などは明記されてはいませんでした。

1977年の法改正に、適度な長期金利:moderate long-term interest ratesは、物価目標の達成に伴い実現されるとあります。

*それぞれのマンデートが定められた歴史的背景を振り返ると、20世紀の半ばから後半にかけ米国が経験した2つの戦争とその後の不況((1)第2次世界大戦後の世界的不況による雇用の悪化(2)ベトナム戦争の泥沼化と戦費膨張による長期の高インフレ)が関わったものと思われます。

*参考:大臣官房総合政策課海外経済調査係長 金城 貴祐氏ファイナンス 2020 Dec.コラム『海外経済の潮流Fedの長期目標と金融政策戦略』を一部参考にしています。

FRBが関わった、歴史的な出来事

  1. 大恐慌への対応 (1929年〜1930年代)
    FRBの金融引き締め政策が大恐慌を悪化させたとされています。この経験から、FRBの役割と責任が大きく見直されました。

  2. ボルカー・ショック (1979年〜1982年)
    ポール・ボルカーFRB議長の下で実施された急激な金利引き上げにより、高インフレを抑制しましたが、一時的に深刻な不況へ。

  3. ブラックマンデー (1987年)
    株式市場の暴落に対し、FRBは積極的に流動性を供給し、金融システムの安定化に貢献。

  4. ITバブル崩壊とその後の金融緩和 (2000年〜2003年)
    ITバブル崩壊後の景気後退に対応するため、アラン・グリーンスパン議長の下で大幅な金融緩和を実施。

  5. リーマン・ショック対応 (2008年〜2009年)
    金融危機に対し、FRBは政策金利をゼロ近くまで引き下げ、量的緩和政策を導入するなど、非伝統的な金融政策を行いました。

  6. コロナショック対応 (2020年〜)
    新型コロナウイルスのパンデミックによる経済危機に対し、FRBは迅速に金融緩和政策を実施し、様々な緊急融資制度を導入。

これらの出来事を通じて、FRBは米国経済だけでなく、世界経済に大きな影響を与える存在として、その役割と重要性を示してきました。

新型コロナウィルスに対してのFRBの金融政策の詳細は↓


*ご注意-このnoteは企業IRや直近のニュース等を参考に、一般的な情報提供を目的として書いています。投資家に対する投資アドバイスではありません。投資における最終意思決定は、ご自身の判断でお願いいたします。またデータ等の数字は、細心の注意を持って記載していますが当noteに載せている情報に基づく行動で損失が発生した場合においても、一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。

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