バフェット氏のバークシャー・ハサウェイ、新たに選んだ投資先は?最新のポートフォリオより【2024年6月末】
ウォーレン・バフェット氏は、投資の世界で「オマハの賢人」として広く知られています。その彼が会長兼CEOを務めるバークシャー・ハサウェイ(BRK/A・B)の最新,Q2(6月末時点)の保有有価証券報告書(*13F)が、米国証券取引委員会(SEC)に提出されました。同社が保有する主要な株式銘柄には、数々の有名企業やまた、多様な業界のトップ企業が名を連ねており、戦略的なポートフォリオは、バフェット氏の投資哲学が色濃く反映され、その動向に世界中から注目が集まります。
バフェット氏が、94歳の誕生日を迎える、今日8月30日に、バフェット氏に関するこのnoteに残しておきます。
アップル株を継続して売却
バークシャ・ハサウェイは、昨年からアップル株売却を継続しており、第1四半期(3月末)に比べても、保有が半減していることが明らかになりました。(約7億9,000万株→4億株へ)。理由として、
AIなど最新のテクノロジートレンドからアップルが取り残されているからではないかなどの憶測をよんでいますが、バフェットは依然としてアップルを高く評価しており、完全な売却ではなく保有比率の調整とされ、アップル株はバークシャー・ハサウェイのポートフォリオで最大の保有銘柄となっています。
ポートフォリオの構成比率
上位10銘柄
バークシャ・ハサウェイのポートフォリオの6月末の構成上位10銘柄と概算の時価、構成比率です。10社でポートフォリオ全体の9割を占めています。
アップル(AAPL):842億ドル/30%
バンク・オブ・アメリカ(BAC):410億ドル/15%
アメリカン・エキスプレス(AXP):351億ドル/13%
コカ・コーラ(KO):255億ドル/9%
シェブロン(CVX):186億ドル/6.6%
オキシデンタル・ペトリアム(OXY):161億ドル/5.7%
クラフト・ハインツ(KHC):105億ドル/3.7%
ムーディーズ(MCO):104億ドル/3.7%
チャブ(CB):69億ドル/2.5%
ダビータ(DVA):50億ドル/1.8%
上位10銘柄はこんな会社
アップル (Apple):AAPL
言わずと知れた、世界有数のテクノロジー企業。主にスマートフォン(iPhone)、タブレット(iPad)、パソコン(Mac)、ウェアラブルデバイス(Apple Watch)、およびデジタルコンテンツ(App Store、Apple Music)などを提供。また、AppleはiOSなどのオペレーティングシステムの開発とクラウドサービス、オンラインストアなども展開し、エコシステム全体を通じてユーザー体験の統合を図っています。
バンク・オブ・アメリカ (Bank of America):BAC
米国最大級の金融機関で、個人向け銀行業務、企業向け銀行業務、資産管理、投資銀行業務、リース、証券取引など幅広いサービスを提供しています。世界中に拠点を持ち、クレジットカードや住宅ローン、資産管理サービスなどの提供を通じて、企業から個人まで幅広い顧客層に対応しています。
アメリカン・エキスプレス (American Express):AXP
クレジットカード、トラベラーズチェック、リワードプログラムなどの金融サービスを提供するグローバル企業です。特に旅行やエンターテイメント、ショッピングに関連するサービスで強みを持ち、企業や個人向けに幅広い決済ソリューションを提供、高いブランド価値と顧客サービスが特徴です。
コカ・コーラ (Coca-Cola):KO
世界的に有名な飲料メーカー。炭酸飲料「コカ・コーラ」をはじめ、スプライト、ファンタ、ミニッツメイドなど、さまざまな飲料ブランドを展開しています。飲料の製造、販売、流通をグローバルに行い、非炭酸飲料や健康志向の製品ラインも拡充。また、飲料業界におけるブランド価値とマーケティング力で市場をリードしています。
シェブロン (Chevron):CVX
米国を拠点とする世界的なエネルギー企業で、原油・天然ガスの探査、生産、精製、輸送、販売を手掛けています。石油化学製品の製造や販売、再生可能エネルギーの開発にも注力。多角的なエネルギー事業を通じて、世界中でエネルギー供給を行い、持続可能なエネルギーにも取り組んでいます。
オキシデンタル・ペトロリアム (Occidental Petroleum):OXY
米国を拠点とする大手石油・ガス企業で、石油および天然ガスの探査、生産、精製を行っています。また、化学製品の製造や二酸化炭素の回収・利用・貯留(CCUS)技術の開発にも注力しており、エネルギー分野における持続可能な技術革新に取り組んでいます。
クラフト・ハインツ (Kraft Heinz):KHC
米国の大手食品メーカーで、調味料、ソース、冷凍食品、スナック菓子など、さまざまな食品製品を提供。ケチャップやマヨネーズなどのハインツブランド、そしてクラフトブランドのチーズや乳製品が特に有名です。世界中で食品の製造、販売を行い、消費者向けの食品製品に力を入れています。
ムーディーズ (Moody's):MCO
金融市場で使用される信用格付けやリサーチ、リスク分析を提供するグローバルな信用格付機関。ムーディーズ・インベスターズ・サービスを通じて、国際的な企業や政府機関の信用格付けを行い、ムーディーズ・アナリティクスを通じてリスク管理やデータ分析ツールを提供しています。金融市場の信頼性と透明性向上に寄与。
チャブ (Chubb):CB
世界最大級の商業および個人保険会社で、財産損害保険、生命保険、再保険、特殊保険などを提供。個人向けには、自動車保険や住宅保険、旅行保険を、企業向けには責任保険や賠償責任保険等。広範な保険サービスをグローバルに展開し、リスク管理においても高い専門性を持っています。
ダビータ (DaVita):DVA
米国を拠点とする腎臓治療専門の医療サービス企業。主に慢性腎臓病患者向けの透析サービスを提供しています。世界中にクリニックを展開し、透析治療、教育、サポートサービスを通じて、腎臓病患者の生活の質を向上させることに取り組み、医療技術の進化と患者ケアの向上に注力素ています。
こんな米国企業知らなかった
日本の5大商社株への投資で話題になったように、バフェットのバークシャ・ハサウェイが投資する企業には常に注目が集まります。今回初めて明らかになったのが、アルタ・ビューティーとハイコという米国企業です。
ハイコ(HEICO Corporation,HEI)
航空宇宙産業に特化した技術力と、FAA(米連邦航空局) 承認の部品製造能力を強みとする企業です。民間航空会社や軍用機、ビジネス航空機向けに幅広い製品とサービスを提供し、航空機の安全性と効率性の向上に貢献しています。
ハイコの
直近四半期売上高:9億9,200万ドル
アルタ・ビューティー(Ulta Beauty,ULTA)
多様な美容ニーズに応える品揃えと、オンライン・オフラインを融合させた顧客体験の提供により、ダイナミックな美容市場で成功を収めています。「All Things Beauty, All In One Place(美に関する全てを一つの場所で)」をモットーとしています。
アルタ・ビューティーの
直近四半期売上高:25億5,210万ドル
*フォーム13とは
バフェット氏の投資スタイル
企業の本質的価値を見極め、株価が割安な優良企業に長期投資する「バリュー投資」を基本としています。
具体的には、
理解できる事業に投資
競争優位性のある企業を選択
優秀な経営陣を重視
株価が企業価値を下回っている銘柄を購入
長期保有を基本とし、頻繁な売買を避ける
バフェット氏は市場全体の動きに惑わされず、自身の分析と判断を信じて投資を行います。時には大胆な集中投資も行いますが、リスク管理も怠りません。
近年では、テクノロジー企業への投資も増やしており、時代に合わせて柔軟に戦略を調整している様子が伺えます。
上記企業がまさに、バフェットのおめがねにかなった会社ということになります。
まとめ
バフェット氏の投資哲学に基づく、バークシャー・ハサウェイのスタンスは、長期的な視点での「買い持ち」戦略と、安定したキャッシュフローを持つ企業への投資です。日本の5大商社株への投資は、彼の鋭いビジネスモデル評価と、資源や食料、製品のグローバルな需要に対する深い理解があってこそです。そしてシンプルで堅実なビジネスを重視し、長期的な価値創造を目指す、我々個人投資家が指針となる教えが、そこにはあります。
*ご注意-このnoteは企業IRや直近のニュース等を参考に、一般的な情報提供を目的として書いています。投資家に対する投資アドバイスではありません。投資における最終意思決定は、ご自身の判断でお願いいたします。またデータ等の数字は、細心の注意を持って記載していますが当noteに載せている情報に基づく行動で損失が発生した場合においても、一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。
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