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アップル(AAPL)の最新決算:4-6月期の売上高新記録とアップルインテリジェンスの発表が話題に!【Q3,2024】


アップル(AAPL)は、2024年度第3四半期の決算を発表し、前年同期比で好調な成績を収め、4-6月期としては過去最高の四半期となりました。本noteでは、最新の決算データから、製品別、地域別売上や中国市場の状況、そして、話題のアップルインテリジェンスについて解説していきます。

第3四半期の決算概要は?

アップルの2024年4-6月,第3四半期の業績は以下の通りです。

  • 売上高:857億7,700万ドル(前年同期比+5%)

  • 営業利益:253億5,200万ドル

  • 当期利益:214億4,800万ドル

  • 1株利益(EPS,希薄化後):1.40ドル(同+11%)

4-6月期は、例年アップルが業績が伸び悩む時期の一つとされています。日本人を含め、世界中のファンが次のiPhoneを期待し、購入を控えるタイミングに当たるためです。そんな中で、今四半期は売上高、利益とも4-6月としては過去最高を記録。M4チップを搭載したProや大画面のAirの新モデルiPadが売上の大きなサポートとなりました。

製品・サービス別売上高

-iPhone:393億ドル(予想389.5億ドル)
-Mac:70億ドル
-iPad:72億ドル(前年同期比+24%)
-Wearables,Home, and Accessories :81億ドル
-Services:242億ドル(同+14%)

製品・サービス別

地域別売上高

  • Americas:377億ドル

  • Europe:219億ドル

  • Greater China:147億ドル(前年同期比▼6.5%)

  • Japan:51億ドル

  • Rest of Asia Pacific:64億ドル

*Americas(米州)は北アメリカ<アメリカ合衆国とカナダ>と南アメリカの両方を含む広範な地域です。Greater China(大中華圏)とは中国に加えて、香港、台湾、そして華僑国家であるシンガポールを含めた「大中華圏」のことを指します。またRest of Asia Pacific(アジア太平洋地域の一部)には、インド、インドネシア、フィリピン、タイが含まれます。

中国市場の回復は未だ・・

米中貿易摩擦の継続と半導体・ハイテク製品に対する制裁強化により、両国の経済関係が不安定化しています。また中国政府のインターネットや技術企業への規制強化が、アップルのサービス部門に影響を及ぼし、さらには、トランプ氏が再度大統領就任となると、台湾問題や南シナ海問題もきっかけにさらなる緊張を引き起こす可能性も否定できません。

米中両国の対立は、企業の長期的投資や事業展開に不安が生じ、米製品への不信感と地元メーカー製品の選好にもつながっています。技術供給の制限とサプライチェーンの影響、地元メーカーの台頭による価格競争の激化が複合的に作用し、アップルの中国市場での売上回復を妨げていると思われます。

人工知能(AI)とアップルインテリジェンス

アップルインテリジェンス(Apple Intelligence)とは?

"この四半期には、iPhone、iPad、Macの中核に強力なプライベート生成AIモデルを搭載した画期的なパーソナルインテリジェンスシステムであるApple Intelligenceを含む、ソフトウェアプラットフォームの素晴らしいアップデートを発表することができました。"

ティム・クックCEO

6月のWorldwide Developers Conference(WWDC)で明らかにされたApple Intelligence(アップルインテリジェンス)。以下の大きな特徴があります。

アップル・インテリジェンスは、デバイス上でユーザの個人的な背景を処理し、プライバシーを保護。

一般的なクラウドAIは高い処理能力を持ちますが、プライバシー面で個人データの提供が難しい環境にあります。アップルは自社開発の「アップルシリコン」を利用することで、通信を最小限に抑えた処理を行います。

必要な場合にはプライバシーが完全に担保された「プライベート・クラウド・コンピュート(Private Cloud Compute)」を利用。さらに、ChatGPTや将来的なジェミニの統合も計画しており、様々な生成AIが活用できるとされています。

Apple Intelligenceは、アップルのデバイスに統合されたAIシステムであり、ユーザー体験の向上を目指しています。これにより、デバイスのパーソナル化と効率化がさらに進むことが期待されています。

ティム・クックCEOは、この技術がユーザーの生活を豊かにするための重要な革新であると強調しています。

顧客満足度とロイヤルティは?

ルカ・マエストリCFOは、第3四半期における顧客満足度とロイヤルティの高さについて次のように述べています。

「非常に高いレベルの顧客満足度とロイヤルティにより、*アクティブデバイスのインストールベース(2023年12月時点でおよそ22億台。以降は台数を公表しない方針のようです)がすべての地域セグメントで過去最高を記録しました。」

ルカ・マエストリCFO

アップルのエコシステム内(アップル製品やサービスが相互に連携し、シームレスに動作する統合環境を指します。)でのデバイス利用が増加し、持続的な収益源となっています。

*アクティブデバイスのインストールベースとは、過去30日間に少なくとも1回は使用(オンにされた)デバイスを指します。iPhone、iPad、Mac、Apple Watchなど、すべてのアップル製品が含まれます。

配当金の支払いは?

13年連続増配


アップルの連続増配年数は13年。2012年に配当を再開して以来、毎年増配を続けています。

アップルの取締役会は、普通株式1株当たり0.25ドルの現金配当を宣言しました。配当金は、2024年8月12日の営業終了時の株主名簿に記載された株主に対し、2024年8月15日に支払われます。

配当利回りの目安

  • 直近配当実績:0.25ドル(5月)

  • 年間配当金:0.25×4=1ドル

  • 株価:219.86ドル

  • 配当利回りの目安:1÷219.86×100=0.45%

*手数料、税金等は考慮に入れていません。配当利回りは購入時の株価によって変わります。

配当金額や連続増配の年数は、米国老舗優良企業に比べ、まだまだもの足りないかもしれませんが、アップルの安定した財務状況と収益成長を反映しており、増配が続けば、投資家にとり魅力的な要素となっていくことでしょう。

Appleの今後の取り組みは?

アップルは、今後もユーザーの生活を豊かにするイノベーションに多額の投資を行う方針です。ティム・クックCEOは以下のように述べています。

「私たちは、私たちの仕事の原動力となる価値観でリードしながら、お客様の生活を豊かにするイノベーションに引き続き多額の投資を行っていきます。」

サービス部門の強化
サービス部門は引き続き成長の主要なドライバーであり、iCloud、Apple Music、Apple TV+、Apple Payなどのサービスが含まれます。この部門の売上は前年同期比14%増となり、アップルはこの分野でのさらなる拡大を目指しています。

ハードウェアの進化
例年秋口の新型iPhoneをはじめ、ハードウェアの需要を喚起し、AI機能との連携を強化することが期待されています。特に、AI機能をサポートする高性能なデバイスの普及が見込まれます。

グローバルな市場戦略
中国市場での売上が減少したものの、全体的なデバイスのアクティブベースはすべての地域で過去最高を記録。アップルは引き続き、グローバルな市場でのシェア拡大を目指し、インドを筆頭に新興市場での成長を目指しています。

持続可能性と社会的責任
アップルは環境への影響を最小限に抑えるための取り組みを続けており、再生可能エネルギーの使用拡大や製品のリサイクルプログラムを推進しています。また、社会的責任を果たすための多様性とインクルージョンの促進にも力を入れています。

まとめ

アップル(AAPL)は、第3四半期において、予想を上回る、売上高やEPSを報告しました。また、アップルインテリジェンスの発表や顧客満足度の向上は、同社の強みをアピールするものとなっています。配当金の支払いも順調に行われ、株主への還元も充実してきています。

AI技術の導入とサービス部門の強化を軸に、ユーザー体験の向上と持続可能な成長を目指す、世界一の時価総額を誇る企業として、同社は引き続きテクノロジー業界のリーダーの地位を確立し、ユーザーに革新的な製品とサービスを提供することが期待されています。

よくある質問 Q&A

今回の決算や事業内容をQ&Aでおさらい・・

Q1: アップルの第3四半期決算で特に注目すべきポイントは何ですか?

A1: 特に注目すべきポイントは、四半期売上高が前年同期比で5%増加し、858億ドルとなったことと、EPSが11%増加して1.40ドルとなったことです。

Q2: Apple Intelligenceとは何ですか?

A2: Apple Intelligenceは、iPhone、iPad、Macに搭載された強力なプライベート生成AIモデルで、ユーザー体験の向上を目指した画期的なパーソナルインテリジェンスシステムです。

Q3: アップルの顧客満足度とロイヤルティについて教えてください。

A3: アップルは、非常に高いレベルの顧客満足度とロイヤルティを維持しており、アクティブデバイスのインストールベースが過去最高を記録しました。

Q4: 配当金の支払いはいつ行われますか?

A4: 配当金は、2024年8月12日の営業終了時の株主名簿に記載された株主に対し、2024年8月15日に支払われます。8月の配当を得るためには、少なくとも前週の8月9日までに購入しておく必要があります。実際に、

Q5: アップルの今後の展望はどうなっていますか?

A5: アップルは、顧客の生活を豊かにするイノベーションに引き続き多額の投資を行う方針です。特に、AI技術の活用と顧客満足度の向上に注力しています。

アップルの歴史と1-3月決算についてはこちら↓

*ご注意-このnoteは企業IRや直近のニュース等を参考に、一般的な情報提供を目的として書いています。投資家に対する投資アドバイスではありません。投資における最終意思決定は、ご自身の判断でお願いいたします。またデータ等の数字は、細心の注意を持って記載していますが当noteに載せている情報に基づく行動で損失が発生した場合においても、一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。




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