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アマゾン・ドット・コム(AMZN)の最新決算:AWS事業の成長が際立つ!広告、サブスクにも期待!!【4-6月/Q2,2024】


アマゾン・ドット・コム(AMZN)は、2024年度第2四半期の業績を発表し、前年同期比で堅調な成績を収めました。従来からの配送ネットワークの改善、コスト削減などに加え、クラウド事業でのAIと機械学習の機能取り入れ等への積極的な取り組みが業績をサポート。このnoteでは、最新決算をもとに、アマゾンの好調なAWS、広告事業、サブスクリプションについて解説します。

第2四半期の決算概要は?

業績ハイライト

  • 売上高:1,480億ドル(前年同期比10%増)

  • 営業利益:147億ドル(前年同期77億ドル)

  • 純利益:135億ドル(前年同期67億ドル)

  • 1株利益(希薄化後):1.26ドル

  • 営業キャッシュフロー:1,080億ドル(前年同期618億ドル)

  • フリーキャッシュフロー:530億ドル(前年同期79億ドル)

純利益には、*リビアン・オートモーティブ社(RIVN)への普通株式投資による税引き前評価益4億ドルが含まれています。(前年同期は2億ドルの評価)

*リヴィアン・オートモーティブ(ティッカー: RIVN)は、2009年に設立されたアメリカの電気自動車(EV)メーカー。主な製品には、R1Tピックアップトラック、R1S SUV、およびAmazon向けの電動配送バン(EDV)が含まれます。

セグメント別売上高

アマゾンは全体の売上をセグメント別に見ると、

  • 北米(North America):900億ドル(前年同期比+9%)

  • 国際(International):317億ドル(同7%、為替変動影響を除くと10%増)

  • AWS:263億ドル(同+19%)

アマゾンの四半期決算では、3つのセグメントに分けて毎回業績が報告されます。4-6月の期間では、アマゾンの多角的な事業戦略と各分野での強みを示しています。特にAWSの成長と北米セグメントの利益改善が、全体の業績向上に大きく貢献しています。

北米

  • 売上高: 900億ドル (前年同期比9%増)

  • 営業利益: 50.6億ドル (前年同期32億ドル)

アマゾンの北米地域でのeコマース事業が含まれます。消費者の慎重な支出傾向が見られましたが、配送ネットワークの改善やコスト削減の取り組みにより、利益率の向上が見られます。

国際

  • 売上高: 316.6億ドル (前年同期比7%増、為替変動の影響を除くと10%増)

  • 営業利益: 2.73億ドル (前年同期9億ドル損失から改善)

為替変動の影響を受けつつも、改善を続けています。

AWS (Amazon Web Services)

  • 売上高: 263億ドル (前年同期比19%増)

  • 営業利益: 93億ドル (前年同期54億ドル)

  • AIと機械学習の機能を他の主要クラウドプロバイダーの2倍以上リリースしたと報告されています。

  • 一部アナリストは2024年の第3四半期と第4四半期にも19%から21%の成長を予想。

AWSは引き続きクラウド市場で*トップを維持しており、AIサービスの需要増加により、今後さらなる成長が期待されています。

*世界のクラウド市場は、主にAmazon Web Services (AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platformを中心に展開されています。これら3社は「ビッグ3」と呼ばれ、市場の大部分を占めています。2024年第1四半期の時点のシェアでは、AWS:31%、マイクロソフト・アジュール:25%、GCP:11%となっています。

AWS事業の成長要因は?

我々は様々な面で前進を続けているが、AWSの成長の継続的な再加速ほど素晴らしいものはないだろう。AWSは、より広範な機能、優れたセキュリティと運用性能、より大規模なパートナーエコシステム、モデル構築者向けのSageMaker、フロンティアモデルを活用する企業向けのBedrock、学習と推論のための計算コストが重要な企業向けのTrainium、コーディングだけでなくソフトウェア開発やビジネス統合のための最も有能なGenAIアシスタントを求める企業向けのQなどのAI機能を備えているためです。

アンディ・ジャッシーCEO

事業別

アマゾンが現在どんなビジネスモデルとなっているのかを知るには、事業ごとの売上を比較すると、わかりやすいと思います。

  • オンライン・ストア:554億ドル

  • サードパーティ:362億ドル

  • 実店舗:52億ドル
    -主要な販売チャネル
    オンラインストア:直接運営する電子商取引プラットフォーム
    サードパーティ:マーケットプレイスを利用して商品を販売する外部の事業者
    実店舗:Amazon Goやアマゾンフレッシュなどの実験的な小売店舗を展開
    (無人レジシステムを導入)

  • 広告:127億ドル

  • サブスク:109億ドル

  • AWS:263億ドル

  • Other:12.6億ドル

広告収入でガッチリ!

アマゾンの広告は、同社の広範なeコマースプラットフォームを活用しており、購買意欲の高いユーザーに直接リーチできる点が強みであり、広告主にとって高い投資対効果を期待できます。

同社の広告事業は、依然としてグーグルやメタに次ぐ規模ですが、その成長速度はこれらの競合を上回っており、トップ2社の広告収入が伸び悩む中で、アマゾンの広告収入は堅調に推移しています。

サブスクに期待!

同社のサブスクリプション事業は、安定した収益源として重要な位置を占めています。特にAmazonプライムは、他のサブスクリプションサービスへの入り口として機能しており、ユーザーのロイヤルティを高める役割を果たしています。

多様なコンテンツと利便性を提供し、ユーザーの生活を豊かにすることを目指す
アマゾンのサブスクリプション事業は、今後も新しいサービスや特典の追加により、さらなる成長が期待されます。

株主還元はどう?

アマゾンからは、株主還元よりも設備投資と債務返済を優先する方針が示されています。ただし、増加するフリーキャッシュフローを背景に、株主還元策の強化が現実味を帯びてきていると一部アナリストは指摘しています。

アマゾンが描く未来像

1. AIとクラウドサービスの強化

  • AI関連サービスの拡充:Amazon Bedrock、Amazon Q、AWS App Studioなど、AIを活用した新サービスの開発と提供。

2. 配送サービスの革新

  • Prime会員向けの配送速度をさらに向上させ、同日・翌日配送の拡大。

  • Prime Airドローン配送サービスの拡大:イタリアと英国での展開を予定。

3. eコマースエコシステムの強化

  • 新たなブランドや商品カテゴリーの追加による品揃えの拡充。

  • 国際展開の加速:南アフリカでのAmazon.co.zaの立ち上げなど。

4. エンターテインメント事業の拡大

  • Prime Videoコンテンツの強化:オリジナル作品の制作と配信。

  • スポーツ中継の拡充:NBAやNFLとの長期契約締結。

5. 新規事業への投資

  • 自動運転タクシーZooxの実験拡大。

  • 衛星ブロードバンドネットワーク(Kuiper)の開発。

まとめ

アマゾン・ドット・コム(AMZN)は、今四半期、北米および国際セグメントの業績も改善され、フリーキャッシュフローの大幅な増加が見られました。AWSは同社の第2の柱、安定した収益源として地盤を固め、広告、サブスクリプション事業が次のステップへ進もうとしています。

アマゾンは、AIとクラウド技術を基盤に、eコマース、エンターテインメント、物流など多岐にわたる事業を有機的に結びつけ、顧客体験の向上と新たな価値創造を目指しています。テクノロジーの進化と顧客ニーズの変化に迅速に対応しながら、持続可能な成長と市場リーダーシップの維持を追求、

多くのサービスを通じ「地球上で最もお客様を大切にする会社」として、アマゾンは進化し続けています。

よくある質問 Q&A

今回の決算や事業内容をQ&Aでおさらい・・

Q1: アマゾンの第2四半期決算で特に注目すべきポイントは何ですか?

A1: 特に注目すべきポイントは、売上高が前年同期比で10%増加し、1,480億ドルとなったことと、AWS事業の売上高が前年同期比で19%増加したことです。

Q2: AWS事業の成長要因は何ですか?

A2: AWSの成長要因は、広範な機能、優れたセキュリティと運用性能、パートナーエコシステムの拡大、AI機能(SageMaker、Bedrock、Trainium、Q)などが要因としてあげられます。

Q3: 北米および国際セグメントの業績について教えてください。

A3: 北米セグメントの売上高は900億ドル(前年同期比9%増)、国際セグメントの売上高は317億ドル(前年同期比7%増、為替変動影響を除くと10%増)です。営業利益も大幅に改善しています。

Q4: フリーキャッシュフローの増加の理由は何ですか?

A4: フリーキャッシュフローの増加は、営業キャッシュフローの大幅な増加と設備投資の効率化によるものです。

Q5: リビアン・オートモーティブ社への投資の影響は何ですか?

A5: リビアン・オートモーティブ社への普通株式投資による税引き前評価益が、第2四半期の純利益に4億ドル含まれています。前年同期の評価益は2億ドルでした。

アマゾンの1-3月四半期決算についてはこちら↓

*ご注意-このnoteは企業IRや直近のニュース等を参考に、一般的な情報提供を目的として書いています。投資家に対する投資アドバイスではありません。投資における最終意思決定は、ご自身の判断でお願いいたします。またデータ等の数字は、細心の注意を持って記載していますが当noteに載せている情報に基づく行動で損失が発生した場合においても、一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。






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