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短編小説・掌編小説

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2018年7月の記事一覧

夏の夜

夏の夜

 あなたの背中から滴り落ちた滴は、私のお腹に小さな水たまりを作りました。

 その小さな水たまりは、つまらない世界から逃げ出す扉となることでしょう。

 押し付けがましい正義感は、夏の太陽にくべてやりました。

 燃え盛る炎の熱で、私達は、蝋のようにお互い溶け合ったのです。

 太陽が沈んでしまうと、溶けた私達は、しだいに固まり始め、ひとつになろうとしていました。

 この時だけは、あなたの本性が

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雨上がりに雨の実を

雨上がりに雨の実を

 草木の先に実る雨の実は、陽の光を飲み込み、世界の足元を輝かせています。

 僕はこれから、草原へ行き、たわわに実った雨の実を集めに行こうと思います。

 空色のポットに、ぽとりぽとりと集めて行くのです。

 いっぱいに溜まったところで、虹色のビニールシートを敷いて、ひとやすみ。

 風が吹くと、草原は雨の実を揺らし、ちりんちりんと鈴の音を奏で、小鳥が合わせて歌い出します。

 そんな美しい音楽を

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