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掌編小説

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2017年9月の記事一覧

道

荒れ果てた草原が現れる。

草木が生い茂り、折り重なり、歩けるような道など見当たらない。

草木を掻き分け、掻き分け、進んでいくことにする。

目的地などわからないし、進むべきなのかもわからないというのに。

かすれた緑の香りが立ち込めたとき、右足首がちくりとする。

見ると、棘だらけの茨が僕の足首にくるくると巻きついていた。

それは、徐々にふくらはぎ、膝、太ももへと進んでくる。

思わず叫

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カブトムシ

カブトムシ

蝉時雨が止むと、薄暮れの風が吹き、鈴の音を奏で始めた。

エノコログサの穂が、鈴虫の演奏を指揮する。

穏やかな旋律がたゆたい、頭を優しく撫でてくれた。

僕の体を覆う硬い外骨格に、薄紫色の夕陽が降り注ぐ。

光は玉となり、ころころころと背中を滑ると、足元の影に飲み込まれていく。

最近の雲の形はさらさらとしていて、夕陽が粉砂糖のように舞っている。

それは、僕の死期が近いということを意味

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