連載小説「ぬくもりの朝、やさしい夜」4
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卓也ー電気信号
春の冷たい雨が降る夜、
夕飯の片付けも終わりそろそろ帰ろうかと思っていた時だった。
「卓也、救急車をお願い。それとタオルと毛布を。」
普段あんなにやわらかな陽だまりのような人が、
まるで別人のように血相を変えてそう言った。
「凛さん?どうされたんですか?子供たちはもうみんな帰って…」
「外!森で倒れてる!彼女よ!またいたの!声をかけたら倒れてしまったの!」
凛さんの声は明らかに震えていた。
僕の頭の中は一瞬にして疑問符が大量に湧き出たが、