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同棲ってなんなん。

2年前に一人暮らしを始めようとした時、母親から「あんたが一人暮らしなんてできるわけないやん」と言われた。友達にも「一人暮らしwww嘘やん、できるん?www」と言われた。有り得へん事やと周りから思われていたけど、私はなんでそんな無理やと思われてるんか逆にわからんかった。だって私がしたいと思ってるんやから、頑張れるに決まってる、という気持ちがあった。

1か月前に同棲する、と言った時、母から「いいやん。やってみたら」と言われた。友達からは「おめでとう!」と言われたけど、私は「これはなんかの気の迷いやな完全に」と思っていた。だって他人との生活なんて、一人暮らし以上にできるわけないやん。

きっかけは家の中のこと全部好きにしていいと言われたから。家賃は全部俺が払うよと言われたから。お金あるならまぁなんとかなるかなと思ったから。
一人暮らしにかかっている年間の家賃を考えてちょっとぞっとしたりしたこともあって、一生貯金の貯まらない生活を改善したかったのもあって。そんな些細なきっかけだったような気がする。

最寄り駅の指定と、それからあとは生活に必要のないようなしょうもない指定みたいなのが数点あった以外は、家を決めるのも家具を決めるのも全て私だった。好きにしていいよ、は、結局「なんでもいいから誰かに決めて欲しい」という楽したい気持ちの表れやったし、「お金払うからいいやろ」のスタンスを取るにしては、お金を払う時文句を言いすぎるところが、ことごとく萎える。お願いやから一緒に住みたいってゴリ押ししてきた時は「貯金3桁はちゃんとあるから」とか言ってたような男が、初期費用を払う時には「え引越しってこんなかかるん、もうお金ないんやけど」って言ったのを見て、何言ってんやろこいつ、って一気にシラケたのは記憶に新しい。


年末に引越しを済ませ、年始から生活がスタートした。年明け一発目、世のカップルは恐らく初詣にでも出かけているであろう時間帯に、男は家の中でブチ切れながらモンストの無課金ガチャを引きまくっていた。「今出さなあかんやつがあんねん」「これ当たらんかったら課金するかも」との宣言を私にし、あとは爆死する度にブチ切れ。絶対に無課金で引けよとこちらもキレ返して何とか引けた良いものの、その日から友達と大音量で電話をしながらゲームをする日々がはじまった。1人でもゲームに暴言を吐きまくるし、それ以外はベッドで寝るだけ。どっか行ってくれへんかなとずっと思っていた矢先、やっと出かけたかと思ったら行き先はパチ屋。
同棲を始めてから、またこの年が明けてから、この男の見どころはまだたったの一度も訪れていない。

ほとんど生活能力のない男は、元々一人暮らしでもやっていた洗濯(自分の服のみ)と、一度教えた皿洗い以外のことはほとんど何もせず、簡単な家具の組み立てすらも苦手だと言ってやらず、昼は金もないくせにウーバーを頼み、夜になれば私の作った飯を食いながら、「俺家賃払ってるんやしその他の光熱費は7:3でいいから払ってな」と言った。私は確かに苛立ちながらも、元々お金も払うつもりだったし素直にその条件には頷いた。
数日経って、酒と食費の件についてまた生活費の話になり、私が払う分をもう一度洗い出してみたら例の光熱費に関しての7:3については、7を払う方が私になっていた。

言っておくが男は30歳で私の4つ歳上です。

なぁ同棲のメリットってなんなん。
世の中の男女は家賃込で全部半々で払ってるもんやから。と男は堂々と言ってくるけど、生活において何ら助け会えない関係の人間がどうして金銭も半々に出来ると思ってるんやろう。
そら相手のこと好きなら許せる部分もあるんかもしれんけど、今のとこあなたいいとこ無しですよ何も。

私は今日も密かに萎え続けています。

私が荷物を運び込みに来たら、既に他人を無許可で家にあげた形跡があった時。
俺は荷物ないから自分の部屋要らんよ!と言ったくせにバカでかいダーツボードだけは譲らずリビングの邪魔な場所に置いていること。
何度言っても換気扇の下の汚い吸殻入りペットボトルを処分しないこと。
電気つけっぱなし、窓の鍵も開けっ放し、玄関の鍵さえ閉めずに出ていってた時。
朝に着替えたパジャマが脱いだままの形で置きっぱなしにされている時。
サラダ率先して取り分けてくれる、優しさかととおもったら、自分が嫌いな玉ねぎを私に押し付けてきただけやった時。
料理は覚えたいからやりたい、と言ったくせに白菜さえ切れなかった時。
喧嘩したあとに私が機嫌を治してたら「ラッキー」て言ってきた時。
買いたての生のピーマンを冷凍庫に入れてた時。
今まで1枚も持たずに生きてきたくせに、私と住み始めてから私のヒートテックを我が物顔で着る時。
穴の空いた靴下を「これ捨てたらもう他にないねん」と言ってまた洗濯カゴに入れる時。
洗濯したらその穴あき靴下が私のパンツに引っかかってた時。


同棲ってなんなん。
これが、私のかつて熱望した一人暮らしを捨ててまでしないといけなかったことなんですか。
どう考えたって納得ができひんのに、でもどうせ人を変えたって同じなんやという諦めはずっと前からできてしまっている。多分この男のマシな所も挙げようと思えばあげられるんだろうし。他人には他人の嫌な部分が他にあるだけのことだろうし。こうして人と育むことが将来なんやって言われたら、私は同棲という選択肢をまた取る気がすると思うし、でも結局そこに納得はこの先ずっとしないんだろうとも思う。

あぁ一人暮らしに戻りたいな。戻りたい。
一人暮らしをせずに結婚したおじさんが、「一人暮らし羨ましい、人生のうちに絶対1回はしておくべき!」と言ってて、そらそうやなとはおもうけど、あのおじさんは一人暮らしの良さを知る前に捨てられへんものを得たんやからそれはそれでいいんちゃう、とも思っちゃうんよな正直。

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