生まれたからには
「人生で成し遂げたいことはあるか?」
普段生活する中ではそんなのいちいち考えないが
仕事で行き詰まった時などにふと考えたりする。
そもそもこんなテーマで悶々と考え込むこと自体が中二臭いし、自分は漫画の中の主人公にでもなったつもりなのだろうか?
そういや幼い自分は、大人になったら大衆にとっての何者かになりたいと思っていた。
一度きりの人生、他人に強い影響を及ぼす人物に成り上がりたいと思っていた。
少なくとも中学生ぐらいまではそんな情熱に燃えていた気がするが、
気がつけば自分は安定を求めていた。
流れのままに大学へ進学したが、
夢を追い求めるような努力はせずに、
日常の幸せに満足していた。
そして安定を求めて定職に就いたものの、
思考はこんなにも不安定だ。皮肉なものである。
今の仕事は不動産に関するものだ。
人の生活に干渉することは楽しく、
やりがいは大きい。
だがこの仕事は、
他人の生活を守ることはできても、
他人の生活を変えることはできない。
プラスを生み出すと言うよりかは、
マイナスを生まないようにするだけ。
他人に強い影響を及ぼすような人間には
程遠いと感じてしまう。
何のために生まれ、何をして生きるのか?
金曜午前に流れたアンパンマンのマーチのそんな言葉が、24歳サラリーマンの精神に沁みた。
コロナ禍の呪縛も薄れ、どこへ行っても多くの人に遭遇するようになった。
世の中には沢山の人がいるものだなあ。
いったいこの人たちは、何のために生まれて、
どんなことがしたくて生きてるんだろう。
分からないまま終わる、そんなのは嫌だ。
なんて深いテーマを持ちかけてみたものの、
街頭インタビューで「あなたは何のために生きているんですか?」なんて聞いても、恐らくは「特にありません」ぐらいの回答なんだと思う。
何も考えてない人の方が圧倒的に多いんだろうな。
ただしこれは「人生において」と言う枕詞が付いた場合の話であって、日常的な「何のために生きているんですか?」という問いであれば、答えは色々と出てくるのではないか。
例えば、「明日の飲み会のため」
例えば、「今晩のアニメの最新話を観るため」
例えば、「週末の恋人とのデートのため」
令和4年。こんなにも生きづらい世の中を、
平気な顔をして何億人も生き永らえているのは、
そんな平凡な用事に生き甲斐を感じ、
そしてそれを追い求め続けているからなのかもしれない。
ザ・マミィ 酒井氏が「幸せを遠くに置かなきゃ走れなかった」と言う歌詞を書いているが、
まさに現代人の心中を象徴している歌詞であると思う。
そんな中、気がついた。
自分の目指していた、他人に強い影響を及ぼす人間と言うのは、
断続的で日常的な生き甲斐を届けられる人間のことなのではないか。
日常の中に楽しみを作り続け、
他人の心を動かし続ける人間だ。
それは間違いなく、
自分が「娯楽」の主体となること。
ひいては、作家になること。
「人生で成し遂げたいことはあるか?」
自分は、他人に強い影響を及ぼす人物に成り上がりたい。
悲しい時、落ち込んでる時、死にたい時、
居場所や時間を問わず力になれるのが「作品」だ。
24歳サラリーマン。
営業成績を達成することにのみ終始する人生にはならない。
自分は漫画の中の主人公にでもなったつもりなのだろうか?確かにそうかもしれない。
漫画の主人公はいつだって、他人に強い影響を及ぼす。
そんな作品を、僕はつくる。
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