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第157回 菅家文草 の巻

醍醐天皇が道真の詩集を所望し、道真がそれに応えて自身の漢詩や散文、公文書を少年時代から本にまとめて献上しました。 これが『菅家文草』全12巻です。

大喜びの醍醐帝は「これがあれば白楽天の詩集はもういらないね!」とリップサービス(白楽天は当時カリスマ的人気だった中国・唐の詩人)。

道真が大喜びしたのは言うまでもありません。

しかし醍醐帝のこの言葉はただのお世辞ではありませんでした。

道真の死後、唐(中国)に対して「日本を代表する詩人」を紹介したとき、その筆頭に道真の名前をあげています。

現代の感覚と少し違い、当時のトップ詩人は「日本で一番のかしこ」というニュアンスも含まれていました。 追放してもなお醍醐帝は道真の才能にリスペクトしていたことがわかります。

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『菅家文草』は道真大宰府時代の詩集『菅家後集』とあわせ、奇跡的に現在でも全巻が残ります。

しかし実は、道真の若手時代の詩が詰まった第1巻は雨漏りでぐちゃぐちゃになりダメになってしまったのですが、奇跡的に復刻できています。

その時のエピソードはこちら↓


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