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 私は基本見た夢のことを覚えていないのだが、ある日インパクトのある夢を見、それを覚えていたので綴る。

 実家の最寄り駅であるY駅に彼女が来るというので迎えに行った。待っていたらいつの間にか母が背後にいるので「なんで来たのさ」と訊ねたら「ここの駅改装されて気をつけなきゃいけないところあるから」とのこと。

 現実のY駅は周囲に田園が広がる小さな島式ホームの無人駅だ。しかしホームはもう一つできており、そこに電車が停まって彼女は降りてきた。私は急いでそこに向かった。夢が始まった時に私はすでにY駅にいたが、改装されていることに気づかなかった。

 彼女ら数人を降ろした電車が行ってしまうと、それを数台の車が猛スピードで線路の上を走り追いかけて行った。「待てー!」という声が聞こえたので、きっと1時間に1本の電車を逃して焦っていたのだろう。

 彼女と母と私の3人が出口に向かうと、全体が焦げ茶色の通路に出た。漆を塗ったような艶やかな無数の丸太に囲われ、隙間から日光が差し込むので中は明るかった。幅は一人通るのに狭く感じるほどで、高さは私の身長の2倍くらいだった。
「ここは由緒ある家に直結していて、重要文化財に指定されているから、気をつけて通らなきゃいけないんだよ」
 と母は説明した。

 どう直結していたかは定かではなく、結局見慣れた景色のところに出られた。
 そこに車が一台停まっていた。私の実家の車だ。中では父が乗っていた。

 私を含めた3人は乗車し、父の運転で街へ繰り出す。父はよくわからない講釈を垂れ、それを皆聞き流ししていたら、私が小3まで住んでいたつくば市に来ていた。さっきまで東北の片田舎にいたのに。

 間もなく車は停まり私と彼女は降りた。「楽しんで〜」と母が言うと、ドアが閉まり、車は行ってしまった。
 今日はデートの日だったらしい。
 降りたところは、私の現在住む横浜のイトーヨーカドだった。
 イトーヨーカドーでデートだったらしい。

 そこで私は目が覚めた。

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