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2023年もお世話になりました

SNSはX(Twitter)もnoteも大変ご無沙汰の天津です。
早いもので今年も暮れようとしていますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
少し前にnoteから「今年のあなたの活動記録」が届いていたのですが、今年のnote更新回数はわずか2回。これが3回目の投稿となりますから、開店休業もいいところですね。とはいえ、小説家業3年目も、なんやかんやで忙しく立ち回っていましたので、少し振り返りにお付き合いいただければ幸いです。

●「六条院紫手習始」の連載開始(4月)

以前からご縁をいただいている『わいわい歴史通信』さんで、新しい連載『六条院紫手習始』を開始しました。
本作は『源氏物語』に登場する「六条院」のモデルと言われる、具平親王の邸宅を舞台に、少女時代の紫式部と、内記上人こと慶滋保胤のコンビのドタバタを描くものとなっています。

もともとのお題は、来年の大河ドラマ『光る君へ』関連をテーマに、ということで。
何ができるかなと考えていたのですが、邸宅の主人である具平親王と慶滋保胤の関係性、また『紫式部日記』で式部自身が具平親王との関係性に含みを持たせていることなどから、このふたりを結び付けたら面白いのでは、と発想した次第です。

また、慶滋保胤は私の卒論テーマでもありました。かの安倍晴明の師匠である賀茂忠行の次男で、家業を捨てて文章の道に入り、さらには仏道へ篤く傾倒していくなど、この人単品でもとても面白い人ですので、ご興味の方はぜひ調べていただければと思います。

さて、本作は年内3回お届けして参りましたが、ここまでのお話はすべて『源氏物語』にモチーフを取っています。そのあたりも踏まえて、引き続き楽しんでいただければ幸いです。

●島原へ取材旅行(6月)

先ごろ出ましたこちらのリリースに絡み、何かとご縁のあるHistlinkさんと島原市観光ビューローさんのお招きで、島原市へ取材旅行に行って参りました。

今回のお話は、島原城築城400年記念事業の一環として、築城主である松倉重政を題材とした小説を、とのことで。お話をいただいたときは、率直に言って難しいオーダーだなと感じましたね。

松倉重政と言えば、どうしても「島原の乱」と結び付けられる悪名高い武将です。
ので、何か工夫しなければ、記念事業にふさわしいものにはなりにくいだろうなぁ……というのが正直な気持ちでした。とはいえ、現地に行けば何か見えるものもあろうかというところで、島原市観光ビューローのご担当Sさんのご案内で、さまざま故地をめぐった次第です。

さて、そのうえでどんなお話ができたのか……は、どうぞ今後の発表をお待ちいただければ幸いです。

●『あるじなしとて』が「日本歴史時代作家協会賞・新人賞」候補ノミネート(6月)

昨年6月発売の拙作『あるじなしとて』(PHP研究所)が、日本歴史時代作家協会さまが主催する「日本歴史時代作家協会賞」の新人賞部門にノミネートしました。発売からほぼ1年が経過していたのでとても驚きました。

本作は、悲劇の天才学者であり大怨霊として語られがちな菅原道真の、政治家としての側面にフォーカスして描いたものです。もう神様になってしまった方ですが、実際にはさまざま泥臭いこともしていたでしょうし、そこでの努力を単なる“天才”で片づけるのも違うかなと、人間くさい官公さんを造形した作品でもあります。

受賞は逃しましたが、推していただいたからこそのノミネートですし、非常にモチベーションにつながりました。改めて感謝申し上げます。

そいえば『あるじなしとて』、あのラ・サール高校の入試問題にもなっていましたね。初めての経験でしたが、こういうこともあるんだなぁと妙に感心しました。

●来年とか次回作とか

いろいろやってきましたが、今年中に新刊を出せなかったことはやっぱり心残りではありまして。
昨年(2022年)は『和らぎの国』と『あるじなしとして』を連続で刊行したこともあって、いろいろとインプット&チャージが必要な時期かなと思ったこともありますが、ちょっと取り組みが散漫だったなと。
いろいろ仕込みもやってきましたが、なかなか難しいですね。

とはいえ、もちろん何にも手を付けていないわけではありません。
次回作に向けた動きはすでにはじまっていますし、かなり形も見えてきました。ので、近いうちに、何かお知らせできればなぁと思う次第です。
ぜひ今後に期待していただければと思います。

さて最後に、ここまで読んでくださった皆さんへ。
デビュー3年目、ぎりぎり駆け出しの歴史小説家にご関心をお寄せいただき、本当にありがとうございます。ご期待に沿えるよう、来年は動いていきたいですね。
ではどうぞ、良いお年をお迎えください。

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