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【経済分析】日経平均株価はいつがあがりやすいのか?

このNoteで心掛けてる事

・数字、データという定量的なものだけで経済状態を見る事
・図示化=わかりやすさ を第一に考え、基本は図を見てもらうだけに
・この企業に対する皆さんの理解を深める一役を担えるように努める

今回のNoteで分かる事

・日経平均株価は何月があがりやすいといえるのか?
・2020年の日経平均株価はどんな動きをしそうか?
 ※投資は自己責任ですが。。。。

今回は企業ではなく”日経平均株価”を分析してみる

 今回はいつも行っている企業分析ではなく、経済を分析してみたいと思います。経済を分析するにあたり、日本の経済の先行指標として用いられる”日経平均株価”が初めには相応しいと考え分析させていただきます。
 意外に知らない人が多いですが、日経平均株価には季節性が存在するといえます。有名な投資の格言ですが、

Sell in May, and go away; don't come back until St Leger day.
( 5月に売ってLeger day ( 9月第2土曜日 ) まで戻って来るな )

があります。” セルインメイ ” が有名かもしれませんね。この格言が日本の相場にも適応するのかもみていきましょう。

そもそも ” 日経平均株価 ”とは?

 ご存知の方も多いですが、念のためそもそも日経平均株価とは何かをみていきましょう。

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日経平均株価は”日本経済新聞社”が算出・公表してる指標です。

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計算方法はまさにスライドの通りですが、一つ補足です。知らなくても全然かまわないのですが、(念のため)単純に225社の株価を足しているわけではありません。”みなし額面”と呼ばれるもので株価を修正した構成株価を足しています。興味ある方は下記サイトをご覧ください。

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日経平均株価の採用銘柄は日経新聞社が選びます。毎年10月ごろに入れ替えを実施しています(一部のみ)。日経平均の構成銘柄に選ばれる銘柄の株価は上がる事が多いので注目していても良いですね。

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ただこの日経平均株価には問題があります。”値がさ株=株価の高い株”の影響を多大に受けます。” 株価が高い≠時価総額が高い "ですので、きちんと経済状況を反映しているかは少し疑問が出ます。(そうならないようにみなし額面での補正があるのですが)

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しかし、日経平均株価の採用銘柄のたった20社(全体の10%)で50%の寄与度(影響度)を占め、約50社(全体の20%)で75%の寄与度を占めます。残りの約175社の株価の騰落はあってもなくてもほとんど変わらない状況で、大変偏っているといえます。寄与度1位のファーストリテイリング(ユニクロ)は1社で寄与度約10%も持つ状態です。日本で時価総額1位のトヨタは寄与度23位とかなり下の方となっています。この点からも本当に日本の経済を正しく反映しているかやや疑問を持ってしまいますね

では、話は戻していつが上がりやすいのか?

 では話を戻して、日経平均株価はいつがあがりやすいのか?をみていきましょう。その前にまずは、この50年間の日経平均の動きをみておきましょう。

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 日経平均株価は1986年から始まったバブル期で大きく株価を上昇させ過去最高の38,957円に到達しました。しかし、そのバブルが崩壊し株価は長期間にわたり低下し、2003年4月には7,604円まで低下。ピークから80%近く下落しました。
 しかし、小泉構造改革により景気が上向き2007年6月には18,297円まで株価を回復させましたが、2008年にリーマンショックが発生し株価は再度下落。2009年3月には2003年4月を下回る7,021円まで低下し2012年6月まで低迷します。このバブル崩壊から2012年までの間を”失われた20年間”とよく言っていますね。
 そして今現在でも続いていますが2012年からアベノミクス(3本の矢)により、株価は上昇し2019年12月末時点で23,657円と大きく株価を上昇させているのが現在の状況です。大変長い期間上昇が続いていますんで。この上昇がいつまで続くのか?東京オリンピックまでか?と最近騒がれていますね。
 それでは、この50年間での日経平均株価の各月での平均動向をみていきましょう

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 この50年間の平均動向としては、1月~4月末と11月~12月末が大きく上がるといえます。年間の上昇率の期待値としては6%です。セルインメイはまさにその通りですが、上昇のタイミングが格言(9月2週目)よりは遅くなっていますね。

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 近年の動向をみる為に直近10年間(2009~)でみてみましょう。基本的には50年間の平均動向と同じですが、年初は下がりやすく、年末が強く上昇する傾向となっています。上昇期間としては2月~4月末、9月~12月末。まさに投資の格言どおり”5月に売ってLeger day ( 9月第2土曜日 ) まで戻って来るな )”の動きを近年はしているといえます。

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 次に単純に、その月に株価が上昇する確率をみてみましょう(さきほどまでは期待値をみてました)。
 この50年間の上昇率をみてみると、上昇しやすいのは1~4月・6月・11月・12月、下落しやすいのは5月・8月・9月と言えます。

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 近年の動向をみる為に、直近10年間でもみてみましょう。上昇しやすいのは7月・9月・10月・11月・12月で、特に11月の上昇が非常に高い(90%の上昇率)です。また50年間の時と変わらず5月・8月は下落しやすくなっています。

で、今年2020年の日経平均株価はどうなりそうか?

 日経平均株価の動きやすい時期は分かりましたが、今年2020年はどうなりそうといえるかを考えてみましょう。
 今年2020年は4年ごとに行われる”米大統領選挙”がある年です。当然大きく株価に影響を与えますので、この50年間の米大統領選挙イヤーの平均動向をみてみましょう。 

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上昇期間は1月~3月末、11月~12月末。通常の50年間と違い4月は期待値的には下がる事となっています。

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 また直近5回(2000~)の平均動向も近年の動向を知る上でみておきましょう。さきほどの50年間と違い " 年初の1月が低下しやすく "なっています。上昇期間は2月~3月末、11月~12月末です。また、ここ5年間の平均では年間では株価は下落する傾向となっています。特に9~10月末の下落が大きいです。この時期こそまさに米大統領選挙でも熱い時期となるので、近年ではリスクオフが高まり株価が下落しやすくなっているというわけですね。


 次に、単純に各月の上昇する確率をみてみましょう。50年間と直近5回でみてみます。

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 平均動向から分かった事との大差はないですが、近年は年初の1~3月と年末の11月・12月以外は株価は上がりにくいといえますね。特に2月・3月・11月・12月は大変高い上昇率を示しています。

 また2020年は”子年”という特徴もあります。そして” 子年 = 米大統領選挙 "でもあります。この子年での動向をみてみましょう。

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 上昇期間は1月~6月末、11月~12月末。大きくは今まで見てきた動向とは変化ありませんね。

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上昇期間は1月・3月・4月・6月・9月・11月・12月で下落しやすいのは7月。特に注目なのは子年では4月は100%株価は上昇しているという点ですね。

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 ただし一点注意が必要です。株価の大暴落で記憶に新しい ” リーマンショック ” は子年の米大統領イヤーではある2008年に起こりました。仮にこの年であっても4月~5月末、11月~12月末はかろうじて上昇期間となりました。9月~10月末の下落が引き金になっている感じがしますね。

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 これらを総じて、個人的に考える2020年の投資の方針ですが、

1月末に買い4月末に売り抜けろ。でも、10月末までには市場に戻れ!

です。あくまで投資は自己責任ですけどね。。。


最後に今回の資料です。もし何かのお役に立てれば幸いです。

今回は以上となります。次回は何を投稿しようかなー

※2020/3/3 追記

 2月のコロナショックという想定外を受けて号外を書きました↓

↓  2021年版はこちら


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