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雨沙燕の執筆スタイル 〜「消しゴムから出てこないアイツ」より〜

せっかく何でもできるnoteで小説を載せているので、現在連載している小説「消しゴムから出てこないアイツ」を使って、普段私がどうやって書いているかを見せちゃいましょう!

まず、執筆に使うソフトですが、物書堂egword Universal 2です。他のソフトをいろいろ試した末にやっとたどり着きました(現在のegwordはMac用のみ)。私は縦書きでしか書けないという事情もあり、Macではこれを超えるソフトはないと思っています。専用のegwudファイルがGoogle ドライブで“フォルダー扱い”されてしまうのが謎なんですけどね。

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雨沙燕の執筆スタイル


それでは、「消しゴムから出てこないアイツ」はすでに完成している(読んでね!)ため、完成時の1ページ目のスクリーンショットを載せます。

「消しゴムから出てこないアイツ」1ページ目(完成時)

よく見てください。明朝体の「游明朝体 Pr6N R」が本文で、丸ゴシック体の「ヒラギノ丸ゴ ProN W4」がメモです。游明朝体は最近のOSに入っているものではなく、もっと細いウエイトです(つまり自分で買った!)。

それはともかく、ぐちゃぐちゃで読めない!と思われるでしょうが、これだけメモを書かないと小説の本文が何を意味しているか、他の文章とのつながりはどうなってるのかがわからず、特に推敲ができなくなった2018年以降は推敲できないんです。推敲どころか、書いている途中でもメモがないと困ります。

そのぐちゃぐちゃの原因である、本文とメモの背景色。色には一応の意味を持たせてありますが、けっこう違う色を使ってしまいます。

  • :通常の言葉/必要な空白を知らせる

  • :重要な言葉

  • :とても重要な言葉

  • :プラス感情の言葉

  • :他の場所でも使われている言葉

  • :マイナス感情の言葉/時間や自然など大きな存在のメモ

  • :固有名詞の初出メモ/頻度に注意すべき言葉

  • :確定していない言葉/注意すべき設定のメモ

ちなみに、メモ内の数字は章番号とページ番号で、例えば「7-19」は第七章の19ページを表します。ただ、書いていくうちにメモがどんどん増えるため、ときどき修正はしますがたいていずれてしまいます(笑)。


色やメモを消してみると……?


まあ最近は赤と青を使いすぎてしまいがちで、自分でもさすがに目がちかちかします(汗)。そ、それではその色を消してみましょう。

「消しゴムから出てこないアイツ」1ページ目(色を消したもの)

色がなくなったので、ぐちゃぐちゃ感は収まりましたね。でもこれだと、伝わってくる情報量が大幅に減ってしまうのです。実は、本文の背景色は意味の区切りを教えてくれるので、読む速度を上げるのにも貢献しています。

あっ、そうそう、メモの最後の「◉」は、メモがそこで終わることを示しています。メモがどこからどこまでかをわかりやすくしてくれてます。

さらにメモ自体を消してみます。

「消しゴムから出てこないアイツ」1ページ目(色とメモを消したもの)

はい、何だかすかすかですね。メモがいかに多いかってことです(笑)。
もちろん題名直後の1行以外はつめてしまうので、小説はすかすかではありませんよ!

完成品の「消しゴムから出てこないアイツ」はこちら。読んでくださいね!


小説完成後には──


小説が完成したらメモはすべて消し、本文だけになったところでテキストファイルに書き出します。本をデザインするソフトAdobe InDesignでそのまま使えるように、エンコーディングは「Unicode(UTF-16)」にします。今はもしかしたらUTF-8でも使えるかもしれません。

現在は、メモを消す前の原稿も残してあります。


というわけで、私の執筆スタイルはこんな感じです。いかがでしたか?
物書堂egword Universal 2は本当に使いやすいので、皆さんにも、特に縦書きで書いている方にはぜひ使ってほしいです。

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