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独身アラフォー女性の奮闘記#24 デートの誘いはないけど、仕事の引き抜きが来た話

夏が終わった。
なんだかんだ仕事がいつもよりは忙しかったり、あまりにも暑かったりして、浴衣を着て出かけたり、花火を見に行ったりなんてすることはなかった。40年以上生きていればそんな夏もある。

推し活はちょっとした。好きな配信者の初のオフイベがあったので、年甲斐もなく参加してチェキを撮ったりした。ウケる。
そんなこんなで、ちょっとキングクリムゾンさん(←私の好きな人)とも疎遠になりそうだったのだけど、なんだかんだ連絡が来たりはしている。

そして、懐かしい人からの連絡もあった。


魅惑のキルフェボン

夏の終わりに、キルフェボンがイチジクフェアを1週間弱という短い期間、実施するというウェブニュースを見た。
前にも書いたかも知れないが、キングクリムゾンさんがイチジク大好きなので、早速そのウェブニュースのリンクをつけて、連絡をしてみた。

すると、「1番近い所だとこのお店だね。仕事でよく近くまで行く機会があるから、行ってみるね」という返事が来た。

おい、キング!そこは「一緒に行こう」だろうが!!!

「私も行けたら行こうかなって思ってるよ!」と伝えたけど、お誘いはなかった。まあ、いいですけど。
それから、フェアの期間中も連絡は来なかった。
私も、オタク活動をしていて、推しのあれこれで忙しかったので、あんまり気にならなかったが、そうこうしているうちに、最後に彼と連絡を取り合ってから随分経ったな、と思った。でも、別に連絡するネタもないしな。そう考えて、私も連絡をするキッカケを見失っていった。

そんな中、友達のお店の手伝いで店頭に立っていた9月1日。お店が落ち着いたタイミングでふと携帯を見たら、キングさんからLINEが来ていた。
「この前仕事の時にキルフェボン行ってきたよ!全種類食べちゃった!美味しかったー」というような内容だった。

おいいいいいい!全種類って確か4種類くらいあったよね!?そこはさあ!私を誘って、「それ一口ちょうだい」じゃないんかい!!!!

そう思ったけど、お店のお手伝い中だったので、そっと「グー!」スタンプと「私は仕事がバタバタしていて行けなかったよー」と返信しておいた。
仕事終わりに携帯を見たら「仕事忙しいの?落ち着いたらまたご飯行こう」という返事が来ていた。
ご飯は誘ってくれるんかーーーい!
具体的な日程とかは追々でいいから、ここでも「ヤッピー!」スタンプだけ返しておいた。

翌週、仕事でインスタを開いていたところ、赤坂の大好きなパティスリーも9月に入ってからイチジクのタルトを開始したという投稿をしていた。
めげないアマリリス姉さんは、こちらのお店情報もキングクリムソンさんに送信した。
すると、結構すぐに返事が来て「これも美味しそう!食べたい」とのことだった。キルフェボンの一件で、「こいつぁ、一緒に行こうよ待ちしても誘ってこねーのよ」という事実が判明していたので、アマリリス、仕掛けてみた。
「私、9月中に夏季休暇3日間消化しないといけないんだけど、平日で一緒に行ける日があったら行かない?」とあんまり期待せずに誘ってみた。
意外にも前のめりで「本当?じゃあ一緒に行きたいね!」という返事が来た。

…ふーん。可愛いとこ、あるんじゃん?

なんてクールぶってみても、私のことだからちょっとニヤニヤしていたと思う。じゃあ予定が見えてきたら連絡しますということで、私は絶対にキングと赤坂でデートしてやるマンに転生した。
これは後日報告するので、ぜひ楽しみにしていてほしい。


10年以上前の元同僚からの連絡

キングさんからキルフェボン行って来たよ報告があった同日、同じくお店の休憩時に携帯を見たら、20代半ばの頃に一緒に仕事をしていた先輩からmessengerで連絡があった。
エンタメ業界に造詣が深くて、英語ができる知り合いいない?っていう内容だったのだけど、「私以外に該当者が思い当たらなんですけど、詳細くれたら、代理店時代の後輩とかに声掛けられるかも?」って返事をしたら「アマリリスだと年俸の条件はまらないかも」と言う。お酒が入っていたので、後日改めて詳細を連絡しますとのことだったので、連絡を待つことにした。

すると翌日、詳細が送られてきた。私は、「記載の年俸に50万乗せてくれたら私も考えてもいいよw」と伝えた。
ここまでmessengerで連絡をしていたのだけれど、先輩が「LINE教えてよ」と言ったので、IDを送った。私たちが一緒に働いていたのは、ガラケーしかない時代。大震災が起きる前の、LINEが存在しない世界線のことだったから、こうして時代を超えて連絡を取り合っているのもエモいな、と思った。
先輩は、取締役まで務めた勤務先を8月末で辞めて、転職先で新規事業を立ち上げるのだが、そこに来てほしいと言っていた。
そんな昔に一緒に働いていた私のことを思い出して、適材だと思って声を掛けてくれたのは、純粋に嬉しかった。

同時に、今の会社でだらけるだけだらけて給料泥棒をしている私に、事業立ち上げメンバーとして務まるのだろうか…という一抹の不安が募った。今の私は、サラリーマンとして腐りそうなのだ。
腐りそうな現状に不安を覚えていた面もある。LinkedInの求人を見たり、好きなゲーム会社のマーケティングのポジションに空きが出ないか定期的にチェックしたりはしていた。ただ、ぬるま湯に浸かりすぎて、今のままダラダラお給料だけ貰うでもいいかなって思ってしまっている自分もいた。というか、転職するほど、嫌なことは何もないな、というのが正直な所だった。

そんなわけで、とりあえずすぐすぐ転職とかのつもりはなかったからちょっと考えてもいいですか?と先輩に伝えたら、「今度次の職場で一緒に仕事する奴と飲むから、よかったら来ない?全然カジュアルに話して、いいと思ったら考えてくれればいいし」みたいな感じだった。予定も空いていたので、何年振りかになるが、先輩にも会いたいと思ったし、話をしに行くことにした。


女友達の後押し

キングさんと先輩から連絡が来たのが金曜日。
土曜の夜に軍団(オタク友達)と焼肉に行った時、引き抜きの話が来ていると相談してみたら、みんなが「その先輩が探してる人材、普通に考えてアマリリスちゃん以外いなくない?っていうか、大企業だし、信頼できる人と仕事ができる確定なら別に躊躇する理由が見当たらない」と言われた。
私は広告代理店時代に、国内の大企業は向いてないなって思っていたので、国内企業で大企業っていうのにちょっと戸惑っていたが、確かに今後の人生を考えたら、安定も欲しい気持ちはある。
それに、大企業の中でも新規事業部で、立ち上げメンバーなら小規模からのスタートだから、関わる人の数は少ないところからのスタートになるだろう。そう考えたら、大丈夫な気もしてきた。

そして、日曜日、昼間にアロママッサージでメンテする予定を入れていたのだけれど、朝、ご近所友達から「プール行かない?」というお誘いが来た。夕方なら行けるよってことで、急遽、会うことになった。この友人とは、もともと同じ会社で働いていて仲良くなったので、仕事のターニングポイントではいつも相談したりされたりをしていて、会いたいなって思っていたのでタイミングが素晴らしかった。
彼女にも、別に今の仕事が嫌なわけでもないけど、つまらないなって思っていたことや、前述の先輩からの話をした。私とこの友人は、転職するタイミングが結構いつも被っているのだけど、案の定今回も、彼女は彼女で、現職の内容にも環境にも限界を感じていて、自分が腐ってしまうのが嫌で転職しようと思っていると言っていて、私の引き抜きについては「いいじゃん!アマリリスちゃんにピッタリなんじゃない?」って言ってくれた。

みんな、私がどんなことをしてきて、何度も転職をしているのを知っているけど、年齢や転職回数の限界なんか考えず、より良い条件や、やりがいがある仕事ができる環境がプラスになるはずだと考えて、背中を押してくれた。
やめておいた方がいいときは、やめなよって言ってくれる人達なので、先輩と会う前に、彼女たちの意見が聞けてよかったな、と思った。


先輩との邂逅

最後に先輩と会ったのは、共通の職場だった時の社長が亡くなった数年前、その方のお別れ会の時だったので、本当に久しぶりだった。その間、連絡を取り合うこともなかったから、事前にLINEでは私がどんな仕事をして来たのかは簡単に伝えておいた。

当日、先輩が押さえてくれたお店に向かっている時に「今駅です、向かってます」と連絡したら「飲み始めたら店が停電した」という返事が来た。
私は横断歩道の信号待ちだったのだが、かつて一緒に働いていた頃、この先輩と生放送の現場に向かう車中で信号待ちの間に、目の前の横断歩道を渡っているおじいさんがお漏らしをしたことを思い出していた。
「先輩と私が揃うと珍事件しか起きない…」
そんなことまで一瞬で思い出すような停電だった。
お店に着くと、先輩が外で喫煙中だった。街の停電ではなくて、そのお店だけ停電してたんだけど、なんで?w

「アマリリスいくつになったんだっけ?」
「41歳になりましたwwwてへぺろ」
「1歳しか違わないんだっけか!」
とか言われたんだけど、私のこと忘れすぎじゃない?まあ、そんなもんか。

もう1名が来るまでしばらくかかるとのことだったので、今の仕事のことや、前職で一緒だった人たちの話とか、ざっくばらんにキャッチアップした。
先輩は、私がまだまだTHE帰国子女の尖りガールだった頃しか知らないので、「当時、お前とは文化が違ってやりにくなって思うこともあったけど、この先海外と仕事をするにあたり、まず俺は英語ができないし、海外の文化をわかっていて渡り合えるアマリリスが味方にいたら、めちゃくちゃ心強いなって思う」と言っていた。
すごく有難い一方で、私は内心「男ってなんでいつも、私の尊さに気付くまで10年以上かかってんの!?」って気持ちにもなった…。

その後、もう1名も合流し、仕事についての話になったけど、その人は5年勤めているけど、良い会社だと思うよ、と率直に体験談を話してくれて、私の中で断る理由はないな、と思った。
先輩に、「誰かいない?って私に連絡くれた時、私以外にいると思いました?」って聞いたら「アマリリスを誘いたかったんだけど、今何の仕事しててどうしてるかわからないから、ジャブうったんだよwそうしたらちゃんと引っかかってくれてよかったw」とか言ってた。ジャブ要らんだろ。慎重派だな、相変わらず。

先輩は、「こんなことを言うと気持ち悪いかも知れないけど、俺はこの事業は絶対成功すると思っているし、俺のこういう予感は当たるんだよ。関わる人たちも変な人が今はいないから、乗っかってもらって損はさせない」と言っていた。
私も、タイミングと人を選ぶ直感だけは自分も「持ってる」と思っていて、この先輩とは仕事上、憤ることはほとんどないだろうという自信があるし、今のタイミングでこういうチャンスが巡って来たことは、きっとこのぬるま湯から抜け出すべきタイミングだったんだと思う。

まあ、書類を出してみて、通るかもまだわからないけれど、停滞していた毎日に誰かかが無理矢理アクセル踏みに来たなっていう感じがしている。


恋愛より仕事に生きてしまいそう

キングクリムゾンさんとは、プールに一緒に行った友達にも、細々と会っているんだよねって話も、キルフェボン一緒に行けなかった話もしたけど、「私がB型だからなんか話聞いてて思うんだけど、キング、絶対B型だよ」って言われた。私もそんな気がする。

全然進展がないのになんで会ってるのかって話もしたんだけど、私が1年前みたいにヘラったり、苦しい思いをしていないなら、いいんじゃないって言ってくれた。彼女は、あの時のことを知っているから、また私の恋愛感情が大きくなって、彼の態度に辛い思いをするならやめた方がいいけど、今の私みたいに「キングさんはなんで私と会っているのか、理由がわからないんだけど、切る理由もない。会っているときは楽しいし、平和」みたいな感じの状態なら、まあ良いか、という意見だった。
そして、私がオタク活動忙しくしてて連絡してなかったから、フェードアウトしちゃうかと思ったけど、連絡が来たよって言ったら「男は、興味ない女には絶対に連絡して来ないから、彼にとっても、アマリリスちゃんを切らないで繋がっていたい気持ちはあるんだろうね」って教えてくれた。
そうなんだろうか。
そうだといいな。

そんなわけで、彼と出会って1年以上が経ったが、恋愛感情は落ち着いてきた。一緒にいて楽しい気持ちはあるし、居心地はいい。
でも、仮に転職が決まって、先輩と仕事をするようになったら。
忙しくなって仕事人間スイッチがオンになったら。
いよいよ恋愛から遠のいてしまう気もする。
私はそういう星の下なのかな。

因みに先輩は既婚者でめちゃくちゃ可愛い娘ちゃんもいるし、私も何の感情も持っていないので、全然そういう恋愛とかとは関係ないよ。安心してほしい。

ただ、こんなにワクワクする気持ちなのは久しぶりだから、大切にしたいな。
進展があったらまたここに書き殴りに来ると思うので、気長に待っていてくれたら嬉しい。

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