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映画の翻訳はAIにはできない!?②

おはようございます、おおひさ です。最近環境問題に興味があって、暖冬がヤバイと言われていますが、やっぱり朝は寒いです。。。


今日の疑問(前回の続き)

みなさんは性能が良い翻訳機があれば、映画や本などを翻訳する仕事は成立すると思いますか?


結論は、単純に機械翻訳するだけでは作品が成り立たない

理由は

・歴史、文化、社会の背景を考慮して表現する必要がある 

・沈黙を尊重する日本 と 思いを言語化する英語圏

今回は沈黙を尊重する日本 と 思いを言語化する英語圏に注目して有名な日本の映画を例に挙げて答えていきます。

ルパン3世 カリオストロの城

前記事では魔女の宅急便を取り上げましたが、今回はルパン3世です。

英語版のこの作品を見たことがある人はいますか??

ルパン3世では、ルパンはウルフと呼ばれていたり、次元がルパンのことをボスと呼んでいたりと原作とは設定が異なります。

そして、英語版を見て1番気になるポイントはおそらく「台詞の量」です。


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最後の場面で、ルパンとクラリスというお姫さまの別れのシーンがあります。

日本語版のやりとりはこんな感じです。

ルパン:インターポール(国際警察)が重い腰をあげたな。

クラリス:行ってしまうの?

ルパン:うん、怖いおじさんがいっぱい来たからね。

クラリス:私も連れてって。泥棒(thief)はまだできないけど、きっと覚えます。私、私… お願い、一緒に行きたい。

クラリスがルパンに抱きついて泣きながら話すシーンになっています。最後のクラリスの台詞は英語版では、こんな感じに翻訳されています。

" I want to go with you! I cant' bear the thought of never seeing you again.  I love you. I can't help it!  Oh, wolf! I'll learn to be a thief if that's what you want.  I'll do anything just to be with you.  I was just a child the first time I saw you.  And I loved you even then!  You are really my knight in shining armor! The man I've dreamed of all my life! "

めっちゃクラリス喋るやんってなります笑

口元が画面に映っていないシーンで、台詞の量が一気に増えます。そこで、ルパンと別れたくないということを全力で伝えます。

日本語版は、台詞の時間と沈黙の時間が半々ぐらいです。一方で英語版は9割近く台詞の時間で沈黙なんかありません。

特に気になるのが、“You are really my knight in shining armor. The man I've dreamed of all my life.”の部分です。日本語にすると「あなたは輝く鎧に身を包んだ私の騎士よ。私がずっと夢見ていた運命の人!」って感じでしょうか。ルパンは泥棒なのに。笑

海外のお姫様が登場する話でよくあるのが、お姫様を白馬に乗った騎士が助けるパターン。しかもその騎士はカッコよくて鎧を着ている。

この作品でいうと、クラリスがさらわれたお姫様でルパンが白馬に乗る騎士ということです!!


まとめ

作品の翻訳では、沈黙を尊重する日本 と 思いを言語化する英語圏の文化を理解する必要があります。ストーリーによっては、恋した人への気持ちを伝える英語的な表現やクラリスといったお嬢様性(キャラクター要素)も考慮しないといけません。

つまり、ただ英語ができるだけ(AIによる自動翻訳)では作品を翻訳することは不可能です!!

日本語と英語の言い方の違いに視点を置いて、互いの文化を理解するような授業が学校であっても良いのかなと個人的には思います。


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