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hiilagram
先生【ショートショート479字】
「先生、資料持ってきました〜。」
「おお、ありがとう!今ちょっと手が離せないからそのへんの机に置いといてもらえるか?」
俺は2年B組の生徒名簿を睨みながら考え込んでいた。遠足の季節だ。
城田と近藤の奴らは仲がいいから同じグループにしてやろう。あと、城田は学級委員の安達のことが好きみたいだから安達も同じグループにしてやるか…。
いや待てよ、確か近藤が好きなのは女子バレー部キャプテンの山本で、山本は城田が好きなのか。ややこしいな、こいつら。
だとすると、むしろ城田、近藤、山本のグループにしておいた方が盛り上がるか。安達は他の女子グループに入れる、と。
でもそれだと城田がかわいそうだから、どこかで安達と急接近できるところを作ってやらないとな…。あ、じゃあ、遠足の最後に安達に車を突っ込ませて、それを城田が身体を張って助けられるようにするか…。
「先生、来週の連載間に合いそうですか〜?先生の『2年B組☆学園ライフ!』人気なんですから、原稿落としてもらったら困りますよ〜。」
「うるせぇな、わかってるよ!今おもしろ展開を考えてるところだろうが!」
この調子だと今日も徹夜だな。
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