【詩】最後のわかれ
別れとはどうしてこんなに悲しいのだろう。
それが最後の別れとなれば、その悲しみは抑えようがない。
涙はいくらでも流れてくる、
想い出はいくらでも溢れてくる、
その胸はいつまでも締め付けられる。
もう二度と会えることはない、
その現実を前にする度に、あなたの小さなその胸は何度でも何度でも張り裂けるだろう。
別れという大きな変化が訪れた時、
人の心は悲しみで深く覆われてしまう。
それは、雨風が吹きすさぶ台風の訪れのように、防ぎようがないのかもしれない。
けれども、その止めどない悲しみの波がやわらぐ頃、
全てを吹き飛ばそうとする台風が過ぎ去ろうという頃、
人は次第にその変化を受け容れはじめ、
ゆっくりと次の景色に目を向けられるようになるだろう。
そうして心に平静が取り戻せた頃、その胸には、
過ぎ去りし別れへの、感謝の気持ちが満ちているだろう。
その気持ちに気付く頃、また涙が流れてくるかもしれない、
想い出が止めどなく溢れてくるかもしれない。
でももう、その胸が悲しみで締め付けられることはない。
出会えたことに感謝をし、別れの悲しみを乗り越えたあなたは、
今まで以上に強く優しい、愛情あふれる人間に成長しているだろう。
私はそんなあなたの成長を見守っていたい、
そしてまた一回り成長したあなたに会ってみたい。
別れを乗り越えた、強く美しく、しなやかなあなたに。