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おばあちゃんのおひざもと 第40話 童謡とキティー

「歌を歌って子供に聞かせてるとさ、おじいちゃんが『何だ、歌なんか歌って』って止めるようにわざわざ口出しにきてさあ。『いいじゃないですが、歌くらい歌ったって。子供が喜ぶんですから』って言い返すと、フンって顔してどっか行っちゃってさ。おばあちゃんは知らーん顔して童謡とか、当時ラジオで流行ってた歌なんかを台所で歌ったもんよ。

その頃、ご近所で子猫が生まれて、一匹もらってきて飼い始めてね。おばあちゃんが”キティー”って名前を付けたの。英語で子猫っていう意味。”Kitty, Kitty ”って撫でてると、子供には”キリ、キリ”って聞こえるみたいで、猫はそれからずっと飼って、いつも"Kitty" って名前にしてた。知恵ちゃんが『キリ、キリ』って子供の時に呼ぶんだけど、『キリじゃなくて、キティーなんだけどね』。子供だから上手く言えないのかあ、って思ってた。中学に入って英語を習うようになって、『家で飼ってた猫の名前って、キティーだったの』って言われて笑っちゃったよ。」


*この本は第1話から46話まで、順番に各章の最初の頭文字一音(ひらがな)をつなげていくと、あるメッセージ明らかになります。さて、どんなメッセージでしょうか。


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隠されたメッセージ。いろはかるたの小説版。最初から最後の章まで、各章の頭文字を書き出していくと、最後にこの本の核心が明らかになります。かるた同様、お遊び感覚でも楽しめる本です。

大正3年、1914年にアメリカに生を受け、22歳までに3度も船で太平洋を横断し日本とアメリカを行き来したおばあちゃん。ロサンゼルスの大都会…

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