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ミスをゼロにすることは出来ない
人間はミスをするものだし、忘れるものです。
仕事における能力とは、
1.ミスを減らす工夫をし続けること。
2.ミスをした時にそのリカバリーが出来ること。
だと僕は思っています。
ミスをゼロにすることを目標にしてしまうと、
→ミスすることが怖くなる。
→怒られるから言わない。
→初動が遅れてリカバリー出来ない。
となりがち。
悪い知らせは、早く知らされなければならない。
ビルゲイツの名言だそうですが、その前にコルレオーネ家のルールだったと思います。(ゴッドファーザーpart1より)
それは上司と部下の関係でもあり、会社と会社の関係でもあります。
建設工事においても同じ。
間違いが起きた時、それを正す体制があるかどうかが建物の質につながります。
◇ ◇ ◇
家づくりの方法第2章は、ハウスメーカーの営業があまり言わないことを中心に、ハウスメーカーと設計事務所に頼んだ場合の違いを5 つのポイントから解説します。
1.設計の自由度
2.実際の工事費
3.設計と施工
4.比較が出来るのか?
5.保証とメンテナンス
◇ ◇ ◇
3つ目のポイントは設計と施工の体制です。
実際の施工は下請け
設計と施工を同一社で行う場合、設計者による施工のチェックが「社内検査」となります。
どういった検査が行われているかは、その会社による基準なので客観的な評価とは言い難いです。
また、大手メーカーでも現場の施工は下請け業者に発注しています。大手メーカーの下請けを継続的に請け負っている施工業者は、メーカーよりも立場が弱く発言力が乏しくなります。現場で起きた細かなことは報告していないのが実情だと聞きます。
基本的には、既成システムによる設計なので、現場で設計の変更や修正は発生しないという前提です。
施工効率を考えた設計を最初からしてあるので、効率的に進めることが出来、大幅な工期短縮が可能なところが利点です。
三位一体
設計と施工を別会社が受注する場合は、設計者は施工者を、施工者は設計者をチェックするという関係が築かれます。
厳しい目をもって客観的な検査が行われることになります。
現場打合せの回数が多くなるという点で設計施工一括発注に比べて非効率ですが、健全な建物をつくるためには設計と施工が対等に施主のために仕事をするという三位一体の関係性が大事です。
現場では色々なことが起きます。機械はミスをしなくても、それを扱う人間はミスをします。
単純な施工ミスも発注ミスもあるし、図面の表記ミスも指示伝達の行き違いなどコミュニケーションによるミスだってあります。
それらのミスが起こった時に、その重要度を見極めて、多角的に適切な判断をするべきです。
具体的に言えば、施主の要望・建物の健全さ・施工の合理性、のどれもが重要でその折り合いをつけるということも建築家の仕事です。
あまり知られていない地味な仕事ですが、実はこれにかなりの労力をかけています。それをやるとやらないのとでは仕上がりが全く違うからです。
ミスは必ず起こります。
それをどうやってリカバリーするかを考える。それもクリエイティブな行為の一つなのだと思っています。
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