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読んだ絵本の記録①

図書館が徒歩圏内にある。
娘が1歳になるころから、頻繁に絵本を借りに行くようになった。
猛暑や極寒でなければ、片道は娘の足で歩いてお散歩に丁度いい距離だ。
帰りは12kgの娘と5〜10冊の絵本を抱えながら
さらにスーパーの買い物袋を下げ、息を切らして帰路につく。
あれ、近かった筈なんだけどなぁ。
返却日は2週間ほど先なので、サボって1回しか読まない事があっても
20代の頃、欲張って借りすぎて未視聴のまま泣く泣く返却するTSUTAYAのDVDのようなことにはならない。
娘のおかげで今まで手に取ることのなかった「絵本」というジャンルに触れる機会が格段に増えた。
せっかくなので、印象に残った絵本たちを私の視点で記録しておこうと思う。



[かえるくんのおさんぽ]


第一印象は
「なんてサイケデリックな絵本なんだ」
集合体恐怖症ではないはずなのに、描かれた線の圧倒的質量に鳥肌が止まらない。
キャラクターの造形が独特のフォルムをしているのも、美しい奇妙さを誘う。
鮮やかな絵に惹かれて、一度開いては何故か棚に戻してしまい、また手に取って貸し出しのカウンターへ持っていった。
私が絵を描くときのような、瞬間感情ぶつけ型
(ダサい表現しか出てこない)とは対象的な緻密に描かれた細密画だった。
その絵を観ているとだんだん渦の中に引き込まれていって、
描き手の掛けてきた時間や、着々と淡々と積み重ねてきた集中力、
その熱量を想像しては圧倒されてしまう。
そして何故か少し怖くなってしまう。
たぶん彼等が青い空まで続く、倒れることのないジェンガを進行形で積み上げているように感じるからだ。

内容は愉快で子供の冒険心を掻き立てるようなお話のはずなのに、これらを考えすぎて内容が入って来ない。
細部まで絵描がれた線に、ただただ目を凝らしてしまうのだ。
そんな母をよそに娘は楽しそうである。

亀の甲羅が特に圧巻。
その亀がゾロゾロ出てきたときはさらに圧巻。
蛇が驚かしに出てきたときは、あまりの迫力に思わず「ひぇっ」と情けない声を出した。
隣で見ていた娘は何が?というリアクションだった。
とても気に入ったのか、もっかい!とリクエストをしている。

私にとっては絵に変わった魅力を感じる作品だ。
この感覚を味わいたくて、きっともう一度借りてしまうだろう。

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