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親友の大冒険。

今日から親友が冒険へ出かけた。
1年間大学を休学をしてオーストラリアにワーキングホリデーへ。今日は親友の話をしようと思う。

彼女と出会ったのは高校1年生の春。
サッカー部のマネージャーとして部活体験に来ていたことがきっかけだった。あまりに綺麗な顔で華奢で、うっとりと見惚れてしまうほどだった。

入部を決めたときは彼女と私含め同期が4人だった。
私は中等部からの友だちと入部したため、なんとなく2人対2人グループ
みたいな感じになった。最初はあまり仲がよくなかった。お互いの探り合って、「誰だろう」そんな少し怖い気持ちでお互いを見ていたと思う。

だけど人間って不思議なもので、どこか近いものを感じ惹きつけられる感覚があった。1年生の秋ごろに彼女とは一気に距離が縮まった。
理由は高校生らしく、ユニバに行ったから仲良くなったみたいなもの。
でもお互い繊細なところ、真面目なところ、打たれ弱いけど最後まで走り抜こうとするところが似ていてお互いを尊敬しあう関係になった。

2年生になると同期2人が勉強のため部活から退き同期が彼女と私の2人になった。それに加えて愛嬌があって優しくしっかり者の素敵な後輩2人に恵まれた。
毎日が楽しい日々だった。時には彼女と部活終わりにそれぞれ気になる男子と遊びに行くからと、電車でリップの色がついているか確認し合ったりもした。

内部進学で1番学力が下のクラスにいる私と、外部生で1番頭のいいクラスにいた彼女とはクラスが交わることはなかった。
それでも引退してもお昼ご飯を一緒に食べたり返ったり、時に休憩したり励ましあった。卒業をすると同時に彼女は受験を再チャレンジすることを決意し、1年間さらに勉強した。きっと私が予想しないほどの勉強量だったと思う。
たまに、私が予備校まで迎えに行きスタバで喋って一緒に電車で帰るなんて事もした。

運命の共通テストの次の日、彼女にとっておそらく人生で1番苦しく悲しいことがおきた。泣きながら「助けてほしい、どうしよう」と電話をくれた。なのにそのとき私は英語のテスト中で、テストを捨てて彼女のところへ飛び込めなかった。事が落ち着き落ち合うと、ふたまわりも小さくなった彼女がいた。

未来が怖くて、幸せが怖くて、彼女は泣いていた。
そのとき私は「彼女を幸せにする!」プロポーズみたいな言葉だけど心の底から気持ちが湧き出てきて涙が出た。私たちにとって忘れられない日だった。
地元のサイゼリヤで2人泣いた。

彼女も大学生となり少しずつ日常が戻った。
でもきっと見えないところでは傷だらけだったんだ。

彼女は海外や言語に興味があり
コロナも落ち着いてきた去年、彼女は海外に行く事が多くなった。
カナダに短期留学に行ったり旅行へ出かけたり、
前向きに歩んでいた。かっこよかった。

そんな彼女から出た言葉は
「1年オーストラリアにワーホリに行きたい」
だった。
とても輝いて真っ直ぐすぎる言葉だった。
そこから1年働くために勉強したり、アルバイトに力を入れたりしていた。
目標のためにまっすぐな彼女を陰で見ていてとても刺激を受けた。

4年前は明日が来ることが怖くて、未来が来ないことを願っていた私たちが今は未来にわくわくして、明日に期待するようになり、今を楽しむようになった。

彼女は自分の手で幸せを体現しようとしていた。

そんな彼女は今日、冒険に出かけた。

たくさんわくわくするんだと思う。
いろんな出会いがあるんだと思う。
予想もしない悲しいことがあるかも知れない。
それでも、彼女が自分で決めた選択を応援し続けたいし大切にしたい。

どうか安全に。どうか健やかに過ごしてほしい。
1年後何にも変わってなくてもいい。変わっていてもいい。
そのままでもそのままじゃなくても、彼女らしい姿で。
私らしい姿で再会したい。

彼女の冒険は本当にかっこいい。
未だに彼女の電話の後に走り出せなかったことに後悔している。
だけど彼女は自分の手で幸せになろうとしている。
だから私も私なりのステージで冒険に出かけようとおもう。
行き先はこれから。

さあ親友、大冒険へいってらっしゃい!
幸多き旅になりますように。

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