あまちゃんのロケ地めぐりと、海女さん【三陸旅行記#4】
2018年3月の、三陸旅行2日目。
※時刻、スポットなどは2018年の情報に基づきます。また情報はアヤシイ場合がありますので、実際に旅行に行かれる場合はしっかりとした下調べをお勧めいたします。
気仙沼から宮古へ
2日目は気仙沼から一旦内陸に戻り、一ノ関へ。そこから東北本線で盛岡へ。また太平洋側へ出て、宮古へ。山田線の不通区間を最速で迂回するためのルートだ。
気仙沼ー大船渡は、私の愛するポケモンの描かれた列車が走る区間。早朝なのでもちろん乗れないが、いろいろ考えた昨日の今日である。ポケモンの姿を見るだけでちょっとだけ勇気づけられるような。
本日も旅のはじまりである。
6時1分、気仙沼を後にし、大船渡線で一ノ関へ。
7時50分、一ノ関から再び東北本線で盛岡へ。
ここで列車待ちが2時間ほどあったため、盛岡駅で朝ごはん。
県民ショーで見かけたコッペパンとか
大好きな盛岡冷麺とか。
平日、開店直後の焼き肉屋で、1人で冷麺を食べる女子はちょっと浮いていた、気がする。
11時13分、満を持して、山田線「快速リアス」で宮古へ。
リアス、と名乗るわりに沿線は山ばかりだった記憶がある。しかし鉄道旅は飽きないものだ。半日列車に乗り続けていても、そろそろゴールが近づいていることが寂しくさえ思える。
13時9分、ついに宮古へ。
でもって、宮古から念願の…
三陸鉄道北リアス線に乗車。
今は「三陸鉄道リアス線」になったが、北リアス線の宮古ー久慈間に乗車することが、この旅行の裏目的と言っても過言ではない。
朝ドラ「あまちゃん」の聖地巡りのはじまりである。
三陸鉄道北リアス線(リアル北鉄)
「あまちゃん」、好きだったんですよ。
幼稚園児のときに「あまちゃん」と呼ばれていた私。シンパシーから見始めたのだが、軽すぎず重すぎないテンションにハマってしまった。
せっかく東北行くなら聖地巡りするか。青春18きっぷの旅、というコンセプトではありながら、三陸鉄道は最初から、旅程に組み込まれていたのだった。
あの頃毎朝見ていた赤と青の車体に、テンションを上げながら乗り込むと…
内装がコレ。
なんと、朝ドラ「あまちゃん」の撮影に使われた車両らしく、車内の装飾が華やか。車内には、ロケの写真も貼ってあった。
「北鉄」開業式のシーンがメインだったので、この車両が登場したのはそこか…?などと思いをはせる。
にしてもドラマで走っていた車両に、今自分が乗っかっているんだ、と思うと不思議な気持ちである。
手持ちのウォークマンで「あまちゃん」のオープニングなど流してみる。
道中の名所、大沢橋梁では、列車を止めての撮影タイム。
観光客としては、ブレを気にせず海の写真が撮れるのは、非常にありがたい。
ここは、「あまちゃん」の劇中、上京するアキに向けて夏ばっぱが大漁旗を振っていた場所だと、運転士さんが解説してくれた。
非常にありがたい(二度目)。
大沢橋梁を渡った次の駅、堀内駅。
ドラマで使われた駅名標が残されていた。
「堀内駅」の駅名標よりも存在感がある。自分は始発駅から終点まで乗りとおすから良いが、「堀内駅」で降りたい人が勘違いをしたりしないだろうか。しないか。
三陸鉄道に乗っている間は始終ワクワクし通し。最初のアトラクションに乗っている気分から、次第に列車に運ばれている気分に落ち着いてきたが、憧れていた路線に乗れている興奮は久慈まで変わらなかった。
そして久慈駅に到着。劇中の「北三陸駅」。
久慈駅前は、「『あまちゃん』のロケ地」というより「『あまちゃんのロケ地』という観光スポット」になっていた。
しかし、「あまちゃん」の世界か現実世界かの区別なんてどうでもよくする、ドラマで見た通りの、観光協会のビル。
正式名称は久慈駅前ビル。名前通り駅前にどどんと建っている。有無を言わさず「ここはあまちゃんに出てきた場所だ、それは今お前が立っているそこだ」と主張している。
小袖海岸と海女さん(リアル袖ヶ浜)
久慈駅前からバスに乗り、小袖海岸へ向かう。
ちなみにバスは1日3本。乗った15時過ぎのバスは、その日の終発。
停留所を降りると…そこは、
ヒロインのアキがいた集落から、降りてすぐの海岸である。
画面左端に「あまちゃんロケ地記念碑」が立っている。もちろん「ロケ地そのまま」ではないが、少し寂れた、でも絵になる、ドラマ通りの雰囲気。
オープニングで出てきたり、春子さんやらアキやらが行ったりしていた灯台。灯台の足元は立ち入り禁止のため、劇中されていた落書きの有無は確認できず。
こちらは、あまちゃんとはあんまり関係のない、というかあまちゃん放送前から名所だったであろう名所(?)、夫婦岩。
海女センターの海女さんたち
で、ひとしきり辺りを探検してから、脇にある「海女センター」に立ち寄る。
海女さんによるウニ漁はバリバリオフシーズン。周りには誰もおらず、海女センターにも先客はいなかった。
海女センターの1階は、お土産屋さんになっている。
お土産を見ていると、店番をしていたおばさん(と言っていいのだろうか、お姉さん?)に声をかけられる。
「どこから来たの?」
「埼玉からです」
「じぇじぇっ」
あ、言うんだ。「じぇじぇ」って実際に使うんだ。
「じぇ」2回いただきました。
そのお姉さんが私に話しかける言葉にも、劇中で聞いたような訛りが混ざっていた。
そのお姉さんは海女さん。夏は潜ってウニ漁をしているそうだ。
お土産の食品コーナーで、コウナゴの佃煮を手に取ると、「それはこっちの人が作ったんだ」と、もう1人、別の海女さんを指された。
そして、どうやって来たの?どうやって帰るの?バスもうないでしょ?と尋ねられる。帰りのバスも1日3本で、終発の時間はとうに過ぎていた。
タクシーで戻りますから、と伝えたが、海女さんたちは「ちょっと待ってね」と言い残して相談を始めた。
海女さん同士の会話は、本当に訛っている。ドラマで聞くよりも流暢でわかりにくい。相談を立ち聞きはしなかったし、聞いていたとしても会話の意味はわからないだろうが、音声として聞いているだけでも楽しい訛りだった。
ややあって、海女さんが私のもとに戻ってきた。
海女さんは、もう1人の海女さんの車に乗って久慈市街まで戻るのだそう。あと30分ほどで閉館時間になるので、その後私も一緒に車に乗せて、久慈市街まで連れていくよ、と言われた。
ありがたくお言葉に甘えることにした私は、先ほどの佃煮に加えてあれこれお土産を買って、海女さんたちの車の後部座席に乗っけてもらった。
小袖海岸から久慈市街に向かう車は、リアス海岸に沿って曲がりくねる道路を走る。
道中、市街地から集落へ向かう車と、何台もすれ違う。そのたびに海女さんたちは手を振っていた。顔見知りか、あるいは毎日すれ違う車なのか。
さらに「この岩、写真撮った?撮ってないなら撮らなきゃ」と、道沿いの景勝地でわざわざ車を止め、私に写真を撮らせてくださった。
リアス海岸を走るだけでも私にとっては十分に観光だが、写真にまで残させてもらえるのは本当にありがたい。
車内での話は、誰々さんがどうした、というローカルな雑談も交えつつ、車が海岸を離れる頃には震災の話に。
~続く~
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