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エッセイ

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#理由

私が生きる理由

私が生きる理由

 一度だけ、深夜に泣き叫んだ時があった。どうしようもなく涙が出てきて、自分では止めることは出来なかった。瞼を閉じても、涙が頬を伝っていくのを感じた。顎まで滴って、やがてそれはカーペットが吸い込んだ。私の声は吸い込んではくれないのに。声を出して、鼻水を垂らして、汚い嗚咽を出して子供のように泣いた。高校1年生の秋だった気がする。

 声をあげて泣いていたにも関わらず、私の頭ははっきりとしていた。どうし

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