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誰かいるけど、誰もいない…

世界は突然のウイルス感染拡大によって、内側から一枚、一枚の細胞壁が剥がれる様に崩れているのに街の様子は変わらない気がする。
人類の歴史の経過に過ぎない今の時代をアインシュタイン博士の脳を活用したならば、どんなふうに表現して僕達に話してくれただろうか…光と時の姿を通して、何も無かった様に、生き延びた人々によって無意識な自然との結びつきの中で、愛とか憎しみの感情でエネルギーを産み出す生活に流されて行く…きっと、そんな、ありきたりの現実を化学反応が起きたかの様に教壇の前に立ち、僕達に話してくれるのだろうか…。
知ってますか…この先の未来を、知ってますか…命が終わった先を、誰かが預言者に成り、誰かが信者に成り、その預言者の話を世の中に広げて行く…「なぁ~んだ、結局、今も昔も変わらないじゃあ無いですか…だったら、もう未来なんか気にしなくって良いでしょう」と彼女らしき女が僕の枕元で言った。
モスクワの寒い夜のメトロポールホテルのベッドの中で僕は目を覚ます。
ヘロインと大麻も経験した僕が言うのも、可笑しな話かもしれないが……
一番の幸せは、ぐっすりと暖かなベッドの中で深く、深く眠りに入り込む事だと思う。
いつか必ず目覚める時が来るだろうと信じて、深い眠りに着いたとしても…目覚める事も無く、そのまま別の世界へと移動しているかもしれない。
「まぁ、それは素敵な話だねぇ…」と、どこか見慣れた老人が話しかけて来たので、その老人に「何処かでお逢いしてますかねぇ…」と聞くと、老人は「分かるだろ」って御互いに見つめ合う…「そうだよ、私が君の未来だょ…」
  続きは、一休みの後で…
(この内容は「空想空間」の内側での話で…これはフィクションです。)

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