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隊長職変死の椅子【毎週ショートショートnote】

(※今週の正規お題で書いたお話にリンクしています……!)

調査隊長は椅子に座ったまま事切れていた。

「もう三人連続だぜ」
「現地でならともかく、隊長室でなんて」
「あの椅子が呪われてるんじゃないか」

原因不明の疫病が蔓延していたはずの辺境の村で、住民が全滅した。
最寄りの街の役所で編成された我々原因調査隊で現地を調べてきたが、街に戻ってきた後で、当初の隊長、続く二、三人目と、相次いでこの部屋で変死。とうとう私にまで隊長職が回ってきた。
机につくのも躊躇われたが、とはいえ仕事だ。私は椅子に座り、集まった調査記録を確認し始めた。

“「天使が現れた」と、複数が死に際に証言”
“疫病は病ではなく、聖属性の魔法に類する何らかの効果である可能性が”
“死亡者は全員、安らかな笑顔だった”

待てよ。これは、まさか――
天使が自ら、わざと疫病をばら撒いて、祈らせて、呼び出させて、そして魂を――
そんなの、神の使いじゃなく、悪魔のやり口――

「あなたも気付きましたね?」

柔らかな声が耳元に。
柔らかな感触が頬に――

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