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アラサー、着物着るってよ〜出張編〜

9月末に北海道への出張が入った。
今年何度目かの北海道出張で、白い恋人も食べ飽きたところだった。
始発に乗り空港に向かって最終便で東京に戻ってくる。
弊社、北海道は日帰りするところじゃないよ、ねえ弊社。しかも翌日定時で仕事とか鬼畜じゃないですか弊社〜
職場への恨みつらみも日々の生活のため、今回の出張は朝一からの仕事が入っているので前乗りすることになった。前乗りといっても休日に前乗りして翌日朝から仕事で最終便で帰って一週間とか無理ゲーじゃないすかね?なんて同僚と話している中で、唐突に「折角買った単衣着てないよね。着物チャンスでは?」と頭の中で誰かが囁いた。

今回の出張は偶然にも新千歳空港を使う。
前乗りは自由行動、もしかして近場なら観光出来るのでは?と考え、着物で行けそうな北海道半日観光プランを立てた。
レンタカーは使えないので、電車移動。
タクシー移動もお金がかかるし、というところで小樽に行き着いた。
小樽なら大通りを歩くだけで観光も食べ歩きもできるし一石二鳥!となり小樽に行くことを決めた。

飛行機に乗るのでカルタ結びとは決めていたものの、天気予報は降水確率60パーセント。
どうせ翌日はスーツだしパソコン必要だし、キャリーケースを持って行っても問題はないからと足元はドクターマーチンの8ホール。
羽織は鍵編みの羽織を選んだ。

空港で朝ご飯を買っているときに店員さんに声を掛けてもらったり、決まっている言葉だとしても良いフライトをなんて言われると嬉しくなる。
小樽ではお寿司を食べたりオルゴール館を回ったりルタオで試食したりと満足した。
ガラス工芸のお店で、小樽運河のガス燈モチーフの根付を買ってその場で付けたりした。
お店で買い物すると店員さんにも素敵ですね、なんて言ってもらえたりして浮き足立つ。リップサービスだとわかっていても褒められると嬉しいものである。

一通り満足しているところで、同じく前乗りした上司から皆で晩御飯を食べないかという連絡があった。疲れて頭がまわらなかったせいか、どうせなら着物を見てもらおうと思って札幌まで向かおうと小樽を離れようとしたところで気付いた。

着物写真撮ってない…?

普段着の自撮りはしないけれども、着物は着こなしチェックのため着るたびに簡単に写真を撮っていたのだけれど、朝は急いでいたし一人で観光だしすっかり忘れていた。
電車の時間も近付いてるし、とそこで思いついたのは人力車だった。
小樽運河で声をかけてきた人力車のお兄さんに駅は向かう短いコースでお願いして乗せてもらった。
観光だし、割高なタクシーだと思えば最高な乗り物だった。

明治時代の古い建物の前を幾つか周ってもらい写真を撮ってもらった。
雨が降ったから地面が濡れてキラキラしていて、湿った空気に人力車と着物で一人だけタイムスリップしてるような気持ちになった。

小樽観光は周りきれなかったし、また機会があればゆっくり行ってみたい。
雪の積もった小樽運河とガス燈、着物で行けたら最高だろうな、なんて思いながら一人観光を終えた。

その後会社の人達との飲み会は一人着物だったけれど、みんな物珍しいからか喜んでくれて少し嬉しかった。

着物自体は畳めば平らだし、着物で旅行に行ける機会をどんどん増やしていければ良いな、なんて思っている。
今から合わせの季節、羽織じゃなくてコートも欲しいなぁなんて考えながらボーナス支給額を計算して過ごしている。

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