仕事をとりかえたおかみさん~旦那が主夫になりました その3
気になるところ
一応、洗い物は何となく、あればやっておく、ぐらいの手伝いはしているが、洗濯物はまかせてしまった。
台所に立つと威嚇してくる。
どうやらそれなりに責任を感じているらしい。
こころもとなく、居場所を追い出されたような気分になるかと思ったけど、たいして愛着なかった。
少し気になるところがある。
この人は、とにかくテレビが大好きで、帰ってきたらテレビをつけて、しかも、消さずに寝てしまうという悪癖がある。
今までは営業職であったことだし、ニュースで情報チェックし、芸能界の動向や人物、スポーツ勝敗の結果に至るまで周知しておくことは、必要と言われれば確かにそうかもしれない。
遅くに帰ってきてからテレビをつけるなんてわずかな時間のことではあるし、不愉快だし子どもたちの勉強の邪魔だったが、そこは目をつむっていた。
案の定、テレビがつけっぱなしになっている!
わたし「テレビはつけっぱなしにしない!」
だんな「おれは、おれは、テレビも自由に見れないのか~!」
わたし「これまではいない時間にもつけてるのはよくない!毎日土日みたいになっちゃってるじゃないか。こども最優先!昼間はいくら見ても良いからこどもが帰ってきた夕方~夜までは消して!」
だんな「ウウウ!(威嚇)……うぅ……(弱気)」
テレビのチャンネルなんて、誰にも渡さなかったのに、しおしおとおとなしくなってしまった。
上の子「おおお父さんとお母さんの立場が逆転してしまった!」
ほんとに、これまで威張っていたのは何だったというの!?
やたらと従順なんだけど!
収入を得る立場を握るというのは、こんなにも大きいの!?
驚くほどの激変だ。
まさに逆転。立場が入れ替わった。
結論:男が威張っているのではなく、おかねが威張っていただけだった。
だんな、ダレる
さすがにイヤになってきたらしい。
細かいところで、だらしなくなってきたのが目につく。
洗い物は常に積み上がっている。洗濯物も取り込んでいないことがしばしば。
自分の靴下を放り出しておくことはなくなったが、子供達の服があちこちに散乱している。回収できていないのだ。
下の子「(台所で)なにこれ!足がざらざらするよぉ!汚い!」
わたし「そうだろうそうだろう?お母さん、やってないようにみえてね、ちゃんとやってたんだよ!?そういうところ!」
トイレ掃除もね!
洗濯機のすきまとかね!
だんな「……………」
黙って掃除機をかけはじめた。
娘に言われると痛かったようだ。
それにしてもわびしげな背中だ。
なんか可哀想。
そーだよねぇ。家事なんて四六時中掃除してなきゃならない。
そんなことまでやってられるかっちゅーの!
これ、フルタイムで家事・育児・買い物・料理まですべてこなす女性、たくさん世の中にいらっしゃるけど、無理くない!?
不可能なんだけど!!
たぶん、どうしようもなければやるしかない…とは思うけど。
そのときには、わずかなひま、たとえばひっくり返ってダラダラしたり、本を読んだりブログを読んだりTwitter をチェックしたり、そういう時間も全て犠牲にしなければ無理ではないのか。
心が死んでしまう。
聞いてみた。
わたし「で、日中はどういうスケジュールで動いてるの」
だんな「朝お弁当を作って、洗濯をして、求人情報見て、お昼はぬいて、それからYouTubeで筋トレやって、市営プールに入って買い物行って」
プール!?
貴様……!
痩せたいなら、ウォーキングとかあるだろぉ!贅沢なんだよ!散歩しろや!
それでなくともYouTubeでダイエット動画見始めてから、ヨガマットなんて購入してるし。
お父さん以外誰も飲まないのに豆乳ばかり買ってきて!
このまえ、脂肪を減らすサプリメント買ってるの見たぞ。高いのに。
ダイエット業界なんて人の弱みにつけこんだマシマシ価格で売り付けて、効果がなくても努力がたりないって逃げられる。塾と同じだ!
注:決してダイエット業界及び塾業界を否定しているわけではございません。
こっちが土曜も拘束されて(時々だけど)働いてる間に、稼いだお金を使いやがって~!
注:正確には一ヶ月しかたってないので、まだ一円も稼いでいません。
わたしだってプール行きたい!
つづく
児童書を保護施設や恵まれない子供たちの手の届く場所に置きたいという夢があります。 賛同頂ける方は是非サポートお願いします。