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ドイツで、救急車に乗った。

※10分間で書く、下書き・推敲なしのぶっつけ本番エッセイ。毎日更新26日目※

昨日の夜、スポーツをしに行った彼が、いつもより早い時間に帰ってきた。「どうしたの」と聞いてみれば、「心臓が痛い」という。実はこれ、以前にも何度かあって、タクシーで病院に行っていた。

正直わたしは「心配しすぎだなぁ」と思ってしまうけど、そういうことに関してとにかく心配性な彼は、「救急車を呼ぶ」と。もちろん、彼の体調は彼にしかわからないから、「まじか」と驚きつつも「じゃあ支度する」と服を着替えた。

ドイツでは、救急車は有料だ。数万円かかる。そう聞いていたけど、医者が「必要な判断だった」と認めればほとんどお金はかからないらしい。そうだよね、意識不明の重体なのに3万かかった、なんてなったら困るものね。タクシーがわりにされない処置なんだろうか。

救急車を呼んだのは、彼。軽く支度をして、家の前で救急車を待つ。春とはいえどまだ夜は肌寒くて、パジャマのTシャツに冬用コートとマフラー、ブーツという格好だ。

少しすると、「ピーポーピーポー」という音が。え、鳴らすの。うわぁなんかちょっと恥ずかしいぞ。いやまぁ大事なことなんだけども。

停車して横付けされた救急車のなかで、彼は心電図をとられたり、採血されたり、血圧を測ってもらったりしたそうだ。「わたしも入っていいですか」と聞けば、「まだダメ。助手席で待ってて」と言われた。


助 手 席 ?


よくわからないけど、わたしは彼がいろいろ検査されているあいだ、救急車の助手席に座っていた。

通りがかる車は、もちろんいちいちこっちを見てくる。なんかいたたまれなかった。

20分くらい経ったころだろうか、救急車は発進し、近くの病院へ。わたし? いやだから助手席だって。救急車の助手席で病院向かったって。救急車の助手席って、すごいふかっとしてて座席が広いのね。日独比較したいけど、あいにく日本では救急車に乗ったことがない(そっちのほうがいいんだけど)。

驚いたのは、救急車のなかでふつうにラジオを流していたこと。めっちゃクラブミュージック流れてますやん。あと、アウトバーンで140キロ出してたこと。ピーポーピーポー鳴らさずに140キロ出せるのか、そうかドイツだもんなぁ。

その後なんやかんやあり、彼は大事をとって一泊することに。というか、検査結果が出るのが明け方だからもう泊まれ、とのこと。まじかー!

で、わたしはひとりで深夜に帰宅、朝9時になってようやく目を覚ましたところ。

彼のスマホは充電がないらしく、どうなってるかまったくわかりません。さすがにちょっとドキドキするぞ。まぁ病院にいるんだから安全、安心といえばそうなんだけど……。ああ嫌だ、この「どうなってるかわからず結果を待つ」感じ。いや、なにもないだろうけど。そう思いたいけど。

でもこうやってなにかあったときにすぐ助けを求められるのも、日夜働いている医療関係者がいるからこそ。だれだって夜は寝たいし、土日は休みたいと思う。それでも働いてくれている人がいるから、安心して暮らせるんだ。

いつも22時にはベッドにいる人だから眠すぎて半分意識なかったけど、もっとちゃんと丁寧にお礼を言っておけばよかった。そして彼、早く帰ってこい。

じゃあ、またあしたね。

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