最終回!~天ヶ瀬温泉の旅のおわりと新たなはじまり~
全五回のコンセプトワークショップを無事に終え遂に今日はそのまとめの報告会。改めて各回のレポート記事はこちら↓
Ⅰ:世界に一つの温泉街の旅の始まり
Ⅱ:天ヶ瀬温泉の未来を考える上で必要となることは何か
Ⅲ:〝それでも川が好き〟~玖珠川と私たち~
Ⅳ:その食は「知名段階」と「考慮段階」のどちらだろう??~日常に佇む食の“当たり前”を見つめ直す~
Ⅴ:温泉街のRe;DESIGN~天ヶ瀬温泉の情景を見つめなおす~
さて、こうして天ヶ瀬温泉街未来創造協議会として集まるのも今日が一旦最後。それではいざ参りましょう!
◆新コンセプト&新ホームページ
江副;皆さんこんにちは。今日はこれまでのワークショップや勉強会を通して皆さんと少しづつ導き出した『天ヶ瀬温泉のコンセプト』を最終的にまとめたホームページを皆さんと共有したいと思います。
サイトの名前は『川と湯のまち天ヶ瀬』
そしてコンセプトは『天ヶ瀬温泉は静かに栄え続ける』と『それでも川が好き。』の二つ。
このホームページでは、季節によってその表情を豊かに変える春夏秋冬の天ヶ瀬温泉と玖珠川が鮮やかに描き出されています。
………
『川と湯のまち天ヶ瀬LIFE』
春の天ヶ瀬温泉
夏の天ヶ瀬温泉
秋の天ヶ瀬温泉
冬の天ヶ瀬温泉
…1300年以上にわたる天ヶ瀬温泉と玖珠川の切っても切り離せない関係、それはきっとこの先の未来も続いていくはずです。だからこそここ天ヶ瀬を“温泉の街”だけでなく“川の街”としても表現しました。
このホームページを見て下さった方が「川と湯のまち天ヶ瀬でこんなことを自分も一緒にしてみたい!」と思って頂けたら幸いです。
◆今回のワークでお礼をしたい二つのこと
江副;今回、天ヶ瀬温泉の皆さんに僕から二つお礼を言わせていただきたいと思っています。
まずは『天ヶ瀬温泉は静かに栄え続ける』という第一のコンセプトについて。
“コンセプト”というものはせっかく時間をかけて定めても続かないということが非常に多々あります。山に例えるなら「皆で地図を広げ、とにかく他のどの山よりも一番高い山に登ろう」と皆で決めたはものの、結局最後まで登りきらないといったものです。
実際これまで過去に何度もそういったケースを目の当たりにしてきました。
しかし、大切なのは他者と比べるのではなく他でもない自分たち自身の頂上というものをしっかりと定めることであり、そこに一番二番といった概念はありません。
そういった意味も含め、改めて皆さんがこのコンセプトを受け入れて下さったということに大変感謝いたします。
続いて『それでも川が好き。』というもう一つのコンセプトについて。
これも実は今回ここ天ヶ瀬でのコンセプトワークが始まる前までは果たしてどちらに転ぶのだろうかとずっと思っていました。
もし今回の水害を受けて“川を完全に否定する気持ち”というものが天ヶ瀬の皆さんの中に芽生えてしまっていたら、決してこの提案はできませんでした。
しかし、皆さんのお話を回を重ねてお聞きしていくほどに「やはり川は天ヶ瀬温泉にとって大切なものである」ということがしっかりと確認できました。これは今回のワークで一番大きな収穫だったのかもしれません。
皆さん、改めて“川”を受け入れて下さって本当にありがとうございました。
さて、そして最後にこの場でお伝えしたいのは〝これからが本番だ〟ということです。
僕は普段『プロデューサー』という仕事をしているのですが、こうしてできた指針を基に実際に山を登っていくここから先の道のりこそが真の作業になっていきます。
ここからは常識や慣習に囚われず、時には強引にそういったものを乗り越えたり打ち壊したりしながら新しい時代を創っていくことが何よりも大切です。
そしてきっとその際、今回の天ヶ瀬温泉未来創造協議会で生まれたチームワークというのはそれを成し遂げる上での大きな力になってくれることでしょう。
これからもあまみらの近藤君らが中心となってこうしたコミュニケーションの場が続いていけることを強く願っています。
何か力になれることがあればいつでも僕やクリエイティブチームの面々におっしゃって下さい。
さて、何はともあれ、ここからが“真の本番”ということで、改めて皆さんこれからもどうぞ宜しくお願いします!
◆終わりに~目に見えるもの・目には見えないもの~
〝人は各種各様の旅をして、結局、自分が持っていたものだけを持って帰る〟
かつてドイツの詩人ゲーテはそう言いました。
今回私たちは全十回にわたるコンセプトワークや勉強会を行いましたが、きっと各々で得たものはみんな異なるのだと思います。でも、それで良いのです。
もしかすると、この数か月は自分自身が既に内に持っているものに改めて気づくためのそんな“旅”だったのかもしれません。
私たちのまだ見ぬ外側にこの世界は限りなく広がっているけれど、それと全く同じように自分自身の内側にもこの世界というのは限りなく無限に広がっているものなのだと自分はこの数ヵ月を通して学びました。
〝目に見えるものは移ろいやすいけど、目に見えないものは永遠に変わらない〟
━━━これはアメリカの教育家ヘレンケラーが遺した言葉です。
この先たとえどんなに街の情景は移り変わっていっても、私たちが後世に伝えていきたいこの想いというのはきっと普遍的であり続けることでしょう。
改めて、ただただお風呂が好きということくらいしか取り柄のない25歳の若者が、1300年という歴史を持つこの地天ヶ瀬温泉で皆さんとこうして活動させて頂いたことには本当に感謝しかありません。
同時に、この世界で最も貴重な資源である“時間”を割いて、自分の拙い文章をここまで読み進めて下さった今目の前にいるあなたにもこの場を借りて深くお礼させてください。
本当に本当に心からありがとうございました。
さて、何度も言うように、今日が一つの旅の終わりであり、そしてまた新たな旅の始まりでもあります。
この先果たしてどんな物語が紡ぎ出されていくのか━━━
改めて皆さん、これからも天ヶ瀬温泉をどうぞ宜しくお願いします!
Special Thanks!!
Written by 桶の旅人
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