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♯30 個別最適な学びと協働的な学び

 記念すべき?30回目の投稿となりました、天治郎です。さて、今回のテーマは「個別最適な学びと協働的な学び」です。今更感はありますが、あえて今一度確認します。

(1)はじめに

 先日、職場の研修において、算数授業での自力解決時における「個別最適な学び」と「協働的な学び」の視点からの教師の支援の在り方について考えてもらいました。
 誤解を恐れずに言えば、これまでの算数授業での自力解決の時の支援は、教師の想いが強すぎるものが多かったです。「なんとか解かせたい。」、「『できた』を味わわせたい。」などの想いです。このような想いを否定しているわけではありません。 個別最適な学びは特に、「学習者視点」で見直されたものです。まだまだ、公立小学校の現場では理解が進んでいないように感じます。

(2)個別最適な学びとは?

 中央教育審議会より、「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~」の答申が出されたことにより、「個別最適な学び」と「協働的な学び」が教育界に広がりました。 ICTの活用と少人数によるきめ細やか指導体制の整備により、 「個に応じた指導」を学習者視点から整理した概念である「個別最適な学び」 と、これまでも 「日本型学校教育」において重視されてきた、「協働的な学び」 とを一体的に充実することを目指しています。

 さて、そもそも子供たちに求められる資質・能力とは、何でしょうか。答申では、 「 ① 文章の意味を正確に理解する読解力 」 、 「 ② 教科等固有の見方・考え方を働かせて自分の頭で考えて表現する力 」 、 「 ③ 対話や協働を通じて知識やアイディアを共有し新しい解や納得解を生み出す力 」等 が挙げられています。その他にも、豊かな情操や規範意識、自己肯定感・自己有用感などどのような時代であっても変わらず重要なものもあります。

 このような資質・能力を子供たちに育むために重要なことが、「個別最適な学び」と「協働的な学び」というのです。答申では、「個別最適な学び」を、「指導の個別化」と「学習の個性化」を教師視点から整理した概念が「個に応じた指導」であり、この「個に応じた指導」を学習者視点から整理した概念としています。つまり、主体が子どもであるということが強調されたと言えます。日本型学校教育においては、従来の社会構造の中で行われてきた「正解主義」や「同調圧力」への偏りが課題として指摘されているという背景が大きいでしょう。

 一方で、子どもが主体となって学びを進めることをゴールとして考えた時、 時期によっては、「子どもたちが自分で学ことができるようになるために、方法知を子どもたちに教える」という視点も大事になってくるでしょう。

(3)協働的な学び

 協働的な学びですが、答申では、

「個別最適な学び」が「孤立した学び」に陥らないよう、これまでも「日本型学校教育」において重視されてきた、探求的な学習や体験活動などを通じ、子供同士で、あるいは地域の方々をはじめ多様な他者と協働しながら、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、様々な社会的な変化を乗り越え、持続可能な社会の創り手となることができるよう、必要な資質・能力を育成する「協働的な学び」を充実することも重要である。

『令和の日本型学校教育』の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~

と示されています。そして、集団の中で個が埋没してしまうことがないよう「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善につなげ、子供一人一人のよい点や可能性を生かすことで 、異なる考え方が組み合わさり、よりよい学びを生み出していくようにすることが大切であるとしています。また、異学年間の学びや他の学校の子供との学び合いなども含むとされています。

(4)最後に

 「個別最適な学び」とは、ざっくりいえば 「自らの興味・関心等に応じた自律 (自立 )的な学び」 です。そして、「協働的な学びの出発点」は、 「壁にぶつかった際の他者との対話」 です。これらを意識して、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善につなげていきましょう!

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。noteの更新は、今後不定期になります。


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