2 食文化の違いを乗り越えよう

私たち日本人にとって、日本食は大切な文化の一部だし、子供の頃から慣れ親しんだ味は、もはやなくてはならないもの。それが海外に移住するとどうなるかという疑問に答えるよ!

日本の味を再現するのは意外と難しい

移住前は、イタリアでもお米は作ってるし、基本的な野菜で和食を自宅で作ることくらいできるだろうとタカを括っていた。だけど、実際に移住してみると事情は違った。スーパーには和食に必要な味醂や味噌なんかは売っていない。(これは国によって事情が違うかもしれない。私の住んでいる地域には中国人が経営するスーパーがあって、そこに行くとある程度の和食食材は揃う。)

また、野菜にしたって様子が違うのだ。茄子はいわゆる米茄子みたいにごろんとしてやけに大きいし、葱にしても下ネタ葱の風情であり、青い部分はだいぶ硬い。だからわけぎみたいな細い葱の代用もできない。

イタリア人からは醤油さえあれば和食ができると思われているけど、出汁とか重要なものがないのだ。そしてそれらをひとつひとつ探すのが大変なのだ。

ということで、乾物で持ってこられるものはある程度日本から持参してくるのがオススメだ。

ないものは自分で作るが基本

これは海外在住者なら誰でも経験済みじゃないかと思う。ないものは原材料をどこからか調達し、ない場合は代用できそうな材料で、最初から作るのだ。日本だと簡単に手に入る「ご飯の友」、例えば昆布の佃煮や納豆だって自分で作る。

(納豆の発酵に関しては後日別のところで書くことにする)

これは案外、海外に移住したら楽しめる、もはや醍醐味かもしれない。だって、日本にいたら安い値段で簡単に手に入るので、自作するなんてあまり意味をなさないから。でも、これが海外だと、必要に迫られてやるわけだ。

そうやって作り始めると奥が深くて面白くなってくる。あー、こうやって作れるんだ、ということを次々に発見することができるよ。

味覚は発達するので心配しない

そんな風にいろいろな工夫をして和食を食べているわけだけれど、ふと4年が経過した今感じるのは、そこまで和食に拘らなくても生活できる自分がいることだ。

移住当初は寿司屋の店構えがあれば、一通り試しに入ってみたものだけれど(結果は全て残念な結果になったけど)、今はそこまで血眼になって探したりしない。

イタリアにはイタリアで育つ野菜や採れたての牛乳・ヨーグルト・チーズ、その他にはもちろん生ハム・サラミなど、数えきれない現地の食材があるのだ。

地産地消じゃないけれど、土地のものは保存料もないし、滋養に満ちた味がするのだ。日本にはいろいろなものが輸入されているけど、それでもまだ、その土地でなきゃ味わえないものってものがある。これが一番!

これは結果論としてだけれど、無理に和食に拘らず、土地のものを愉しんでみたら、ぐっと人生の愉しみが増えるよ。

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