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音楽を聴くのは、孤独な趣味だった

これはあくまで俺に限ったこと
と言うか、他の人ではそうとは
限らないような事なんですが、
今までの人生において音楽鑑賞
という趣味は、本当に孤独な
趣味というか、共有出来る相手の
いない趣味でした。

これはそもそも俺がコミュニ
ケーション不全で、音楽に限らず
基本的に友人や仲間が出来づらい
タイプの人間だということが
大きな要因の一つなんですが、
音楽は特に趣味嗜好の合う人に
ついぞ出会えず(おそらくこの先も
出会えず)来てしまいました。

共通の趣味を介した交流
ってのが普通の社交性がある
人ならそれなりに出来るん
でしょうけど、探す為に必要な
労力はそれなりに高い上に、
リアルで会って交流すると
なったらお互いにハードルが
高いもので、物怖じしない
タイプの人間じゃないと
見つけるのかなり難しいんじゃ
ないかと思ってます。

ちなみに俺の若かった時分
(90年代から00年代)には、
ネットで同志を募る文化が
熟成されていませんでした。
そもそも俺が大学入る前なんて
家庭用インターネットさえ
ロクに普及していません
でしたからね。今の人達には
信じられないかもしれないけど、
紙の雑誌で趣味の友人を募ったり
してたんですよ、当時は。しかも
ネットも無いし携帯さえ発売
されてない頃だから、雑誌で
「友達になってください」って
言って家電(自宅の電話番号)
晒してたんですよ、平気で。
今の感覚とかけ離れ過ぎてる。

良くも悪くも、物質を介さないと
情報のやり取りは出来なかったし、
動画や音声なんてロクに使えない。
カセットテープ、ビデオテープ、
そして交流するためには会うしか
なかった。度胸がない人間は交流を
広げられなかったんですよね。

周りで音楽の趣味があう人を
探そうにも、今みたいに
オンラインで繋がる事が
出来ないから、広がりようが
ない。数少ない周囲の人間も、
音楽の話は全く合わない。
元から分母の小さいマイナー
カテゴリー。あまりに見つから
無さ過ぎて、高校時代は完全に
諦めておりました。で、大学
行ったら変わるかと言ったら、
知らない土地なんでむしろ
開拓する気が失せてしまって。
音楽以外の知り合いは出来た
ものの、音楽関係の交友は
広げられませんでした。

関東に戻り自分で曲を作り始め、
誰かとユニット的なものを
組みたいと思ってはいたけど、
そこまでずっと一人でやってると
完全に気後れして、一歩踏みだす
ことさえ出来なかった。その頃
には既にネットを使って新しい
出会いを求めるSNS的なものも
浸透し始めていたものの。
エネルギーがとことん落ちていた
時期と重なり、「どうせ誰も
分かってくれねえだろ」的な
いじけ、捻くれ。そしていつしか
独り善がりの自己満足に限界が来て
熱意を失っていったような流れです。

どこかで出会いがあったら違ったの
かもしれないけど、どっちみち
パワーが無いと続かないしね。
向こうから人が寄ってくる、引き寄せ
力のある人は別だけど、こちらから
行かないと誰も近寄ってこないような
人間は、本人にメンタルタフネスが
無いと趣味にしろ何にしろ、交友
関係を広げるのって難しいよな。
当時は寂しかったし今も寂しいけど
まあしゃーない。どうにもならん。

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