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ポケットの中のビスケット

空が燃えていたんです。
電車から見た夕焼けがあまりに綺麗で、文章を書きたいと思った。

今日、朝起きて、人生で初めて90分眠くならずに講義を受けることが出来た。講義は物凄く面白かった。
日中、眠くならなかった。驚き。
ゲームが出来た。領収書を整理した。連絡を取るべき人に連絡をとれた。洗濯物を畳んだ。
久しぶりに化粧をした。ワックスも使った。
本屋に行った。本を買った。作家さんのサイン会の整理券を貰えた。
新刊の予約をした。書店員さんに話しかけてもらって、沢山話をした。
ラーメンを食べた。美味しかった。奢って貰った。駅まで送ってもらった。
お風呂に入れた。本を片付けた。文章を書いた。

赤と橙と空色と蒼が混じった空が、開いてから閉じるまでを、私は特等席で見ることが出来た。

嬉しかった。

なんでもないことだけど、なんだか幸せ。

大学には勿論スリッパで行ったし、服はコアラのマーチ。私の一張羅。
コアラのマーチが集まったコアラのマーチ、めちゃくちゃかわいいんだからな。鼻で笑うな、折檻してくれるわ。
コアラのマーチを私は背負ってるんだぞ。しかも寝なかった。これは表彰ものでは? 来週辺りにコアラのマーチが箱で送られてくる気がする。

本を買って支出が増えたけど、おかげで荷物が軽くなって良かったと思う。そうだよね?
昨日ケーキ買ったし、一昨日もケーキ買ったし、なんなら先週もケーキ買ったから、多分辛うじてある財布の中身は明日ぐらいに自然と全部ケーキになっているはず。
そもそもだな、世の中に大量生産されてるおっさんの絵かいた紙切れか、人の才能の詰まった文字の塊の書いた紙どっちをとるか。
圧倒的後者。
私は正しい。
拍手喝采、全米が泣いた。

私はラーメンを奢って貰うために、2時間かけて電車に乗った。馬鹿だ。行き帰りの交通費でラーメンが食べれる。
夕焼けだってその電車で見た。締まらん。なんだお前は、何だってその選択肢を選んだ。どうせならもっとロマンチックにいきたかった。
2時間の電車で腰が痛かったから、確かに綺麗だったが、腰が痛いという思考がたまにカットインしてきてもいた。ますます締まらん。

頭が足りていないし、チョロいし、とてつもない阿呆で、馬鹿馬鹿しくて、生産性がなくて、でも、なんか幸せだった。
よくわからないが。

幸せって、キレイな形をしていないんじゃないかな。

ほら、子供の時の、上着のポケットにあるビスケット。
1つあると嬉しい。
でもさ、叩いて、割って、2つになって。粉々になって、いっぱいになって。
もっと楽しかった。

ビスケット、そのまま増えたらいいんだけど。
増えないんだよね。そんなの、みんな知ってる。
だから叩いて笑ってる。 増えてるもん。

私みたいに、赤点の小テストを何枚も事前に制服のブレザーに仕込んどいたって、なんもないよ。
やっぱり増えないから。一時のネタだよ。
まあ、赤点の小テストが何枚もあることが笑えるけど。めちゃくちゃ笑えるけど。何枚あるんだよ本当。一周まわって笑えないわ。

私、いつもポケットにビスケットを入れておきたい。そしたら楽しいと思う、多分。

よし、そうだな、私2019年下半期のテーマは、

"ポケットの中にはビスケットが1つ"



まずはリッツ買いに行こっと。

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