屋外のプールが好きだ

屋外の区民プールが好きだ。

汗だくで向かう。

屋外プールに向かうときに、いつも森のような場所を通過する。
他の場所よりも、ひときわセミの鳴き声が大きい。

そこを抜けるときに、ああ夏だなあと思う。

今年は特に入場制限があるので、例年のように、日に何回も、とか毎日、とか行くのはよしている。

限られた機会を大切に、みんなで、分かち合う。

それでも毎年何十回も通っているのでだいぶ顔は割れていて、いつもいるみなさんと、順番を待ちながら今年の夏の切なさを語り合ったりする。

屋外プールが減ったねぇ、と、あそこもなくなったよ、ここもなくなったよ、と情報交換も忙しい。

そんなこんなしていると

我先に、とかなんとか順番を奪うような方がいないわけではないのだけれど、そんなことは置いておいて、お子さんと2人で来た方の自転車の出し入れなど手伝いながら(早くから並んでいても自転車を停めている時間に順番はまた下がってしまう)、中に入る。並んでいたのにすみません、と頭を下げられてしまったけれど、そんなことはまったくいいのだ。入れるんだもの、奪い合わなくて、大丈夫。

毎回どこかの知らない家族の手伝いをしてから入る。2人で来た家族が、お子さん抱えて自転車置きながら順番を気にするのって大変だもの(※)
そして、随分早くから来ていたご家庭が、間に合わなくて帰らなければいけなくなるなんて、嫌だもの。
昨日はパパさんと娘さんだった。私は娘さんを抱っこして(初対面だけど嫌がらずに来て偉かったね!)、順番のほうに並んで、パパさんは自転車を駐輪場へ。その姿を見て、息子はふふふと笑う。好きだねぇ、といったところかな。また地域に友達が増えたね、といったところかな。

さあ、中へ。

いつもは息子以外にも、他のお子さんを連れているときが多いので、その子の安全面など気にしながら泳いでいるけれど、昨日は夫と息子と3人だったので、前半はプカプカ遊び、後半は息子と夢中で泳いだ。

1000メートルも泳いでないくらいだけれど、プールの中で、手や肩をどこまでも伸ばしたり広げたり

昔はタイムが気になったから、どこまでも伸ばす、なんてできなくて、いかに速く泳げるかばかりを気にしていたけれど、いまは上を向いて空を見たり回転したり、伸ばしたり泳法いくらでも変えたりしながら、水と戯れる。

帰りは、いつものシャリシャリ(氷のようなもの)を食べて、まだまだ暑い最中にプールを後にする。

そして、ここからが、一番好きなとき。
私が一番好きな時間は、ここなんだ。

どれだけ外が暑くても、泳いだ後だから、身体がひんやりとしている。

あの、外の暑さと、対比した、自分のヒンヤリが、とても好きだ。

この感じがとても好きなんだよねーと毎回、言う。知ってるってみんな思うんだろうけど、毎回言う。

あの、幸福感。

おうちに着くと、たいてい床にひっくり返って爆睡。

妻の爆睡中、たいてい夫は洗濯だ。ありがとう。

川や海も好きだけれど、『泳ぐ』『水の中にいる』ということに安全がプラスされるのは、プールが一番。だからプールが一番好きだ。もちろん川や海だとプラス自然、が格別だけれど、そこは空と緑、でもう十分満たされる。

加えて太陽が好きだから、屋外のプールが好きだ。

あんまり屋外のプールが好きだから、通年で入れたら最高じゃない?と20代で日本語教師になったときに、マレーシアを希望した。実際、大学で、午前の授業と午後の授業の間に毎日泳いだり、本当に最高の時間だった。

室内プールが嫌いというわけではないけれど、空も見えにくいし緑も見えずやっぱり物足りない。それに寒い時期に水に入る気にはならない。寒くなったら、温泉or銭湯が最高だ。

屋外プールはルールがとかくうるさい。うんざりするほど、注意が入る。でも、安全のためだ。
何か大きなことが起きてしまったら、即、なくなってしまうだろう。

たったの2ヶ月程度しか稼働せず、水の使用量、土地代、素人考えでも維持は大変そうだ。

役所にメールしよう。ありがとう。本当に。私の大きな幸せのひとつです。
もしここがなくなってしまったら、私は引っ越さないといけない。そのくらい、大切な、場所。

3人の息子とこれまで何100回と行ったけれど、もう一番下の息子しか一緒に行かなくなった。その子ともきっとあと1〜2年だろう。これからは、もっともっと泳げる時間が増える。なんて素敵なことだ。みんな、成長した。育ったんだ!これからも思いっきり、水と戯れよう。

※(時間になるまで自転車が入れられない。時間になると順番に入っていくわけなのだけれど、自転車で来た方が後回しになってしまう。プールは3つあって入場も100名余だけれど、それも受付開始時点で連日売り切れてしまうのです。)

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