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読書メモ:経営学習論(続き)

先日の読書メモの続きです。

前回は第5章までだったので、その続きになります。


第6章 組織再社会化

  • 組織再社会化研究には「組織内組織再社会化」「組織間組織再社会化」の2つのアプローチが存在する

  • 後者は「前所属組織を去った個人が、新組織の一員となるために、新組織の規範・価値・行動様式を受け入れ、職務遂行に必要な技能を獲得し、新組織に適応していく過程」、いわゆる離転職を指す

  • 本書では後者に焦点をあてて分析する

中途採用者の組織再社会化

  • 中途採用者の組織参入時の社会的コンテキストには2つの特徴がある

  • 第一は「即戦力というラベルに起因する周囲からのサポートの低さと社会的プレッシャーの高さ」

  • 第二は「学習棄却(Unlearn)」の存在

  • 新たな環境で必要になる知識・技能を新規に学習する一方で、現在の組織においては通用しないものを学習棄却する必要がある

中途採用者が抱える困難と学習課題

  • 一般に、同業種への転職が転職市場において多くを占める背景には、「前職で得た知識・技能・経験は、後続する職場においてもポータブルに応用できる」という社会的通念が存在している可能性がある

  • しかし、調査によると、これらの諸認識には再考の余地がある

  • たとえ同じ職種であっても、中途採用者の組織参入時の困難は変わらない。学習棄却などの課題においては、むしろ困難を感じる傾向があることがわかった

  • ここから導き出される示唆は、中途採用者に対する体系的かつ戦略的な支援の必要性である

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