見出し画像

新宿御苑に行った話と小説「言の葉の庭」を読んだ【感想】【ネタバレ有】

どうも。あまざらしあざらしです。
普段はあんまり小説は読まないです。

先日、「言の葉の庭」を見て、勢いで新宿御苑まで行って軽く聖地巡礼をしてきました。さらに、勢いで小説も読んだので後半は小説の感想を書いていこうかなと思います。
アニメの方の感想もよろしければ、読んでみてね。

▫️聖地巡礼

聖地巡礼と言っても、東屋と藤棚くらいしか見なかった。あと新宿門。
どうにも人が多すぎてダメですね。やっぱり雨の降った平日午前に行かないと静けさみたいなものは体験できないような気がしました。(午前休取るかぁ)

東屋

東屋は作中に感じたほどの高さはなかったですね。広さは想像通りくらいでしたが。
ユキノちゃんがどのくらいの身長なのか知らないですけど、ここに立てるか?と思った。見返しても窮屈そうな印象は無い(天井はかなり近そうだけど)。まぁここはフィクションのいいところってことで。

藤棚

タカオがユキノに対して、最初に吹っ掛けられた和歌の返し歌を言ったシーンですね。大雨が降って東屋に駆け込むけど、ほんまにそんなに近いんか?と思っていましたが、本当に目と鼻の先でした。写真には写って無いけど、台湾閣が見えます。

▫️聖地巡礼の感想

新宿は学生の頃からウロチョロしていて、馴染みがありましたが新宿御苑は行ったことなかったのでいい機会でした。
作中だと入場料が200円でしたが、学生料金でも250円になっていましたね。緑色の券売機も残念ながら廃止になっていました。入場ゲートに交通系ICをかざせば入れるようになっていたので、入場券をわざわざ買わなくていいのは便利でよかったです。
ちなみに一般料金は500円です。

とにかく、人が多い!そして想像よりかなり広かったです。ピクニックしている人も結構いましたね。梅雨の時期は微妙かもしれないですが、春とかは気持ちいいだろうなぁと思いました。外国人の観光客もかなり多めでしたね。

作中に出てくる橋の所在はよくわからず。似た橋やら東屋に似た何か。等々かなり惑わされました。

大満足セット。
左から、台湾閣→藤棚→東屋→NTT電波塔

久々に聖地巡礼して、新たにいい場所を発見できてよかったです。
やっぱ何事も勢いが大事ですね。

▫️小説「言の葉の庭」感想

以下、ネタバレあるのでご注意ください。
劇場アニメの方は主に、雪野と孝雄の話であった。
小説は10話+エピローグになっており、劇場アニメを視聴した方は違和感を感じるかもしれない。そう、孝雄と雪野の話だけでは10話も内容が無いのである。
アニメ本編の触れられなかった2人の背景とその周りにいる登場人物について細かく書いてあることが本書を読むメリットであるかもしれない。兎にも角にも、アニメが非常に内容があっさりしていたことに違和感を感じ、本書を手に取った。

▫️大人にならざるを得ない

孝雄がなぜ背伸びをして大人にならなくてはいけなかったのか?実際には大人っぽいガキという表現が正しいのかもしれない。
劇場アニメの方でも、孝雄の家庭環境がお世辞にもいいとは言えない状態である。
本書で、中学時代に両親が離婚をし、いつまでも中身がガキで、苦労していないから若く見えるんだよと息子に罵られる母に親権をもたれ、周りの一般的な中高生に比べて大人になることを求められてしまったのかもしれない。

▫️雪野の憧れ

雪野が養殖の美人ではなく、天然物の美人であり、それが学生時代の雪野のコンプレクスであった。彼女の中学時代にそれを支えてくれた(幾度となく助け舟を出してくれた)教師がいつまでも憧れの対象であった。
彼女の幻影を求めて、自分がそれになるために、雪野もまた古典の教師になった。生徒から慕えわれるいい教師になるために奮闘をした。そして、悲しい事故というかすれ違いで彼女は歩けなくなる。うまく歩けなくなった雪野は、徐々に回復していき、その過程で憧れだった教師(ひなこ先生)がなにを思って教師をやめたのかを解明していく。

▫️空っぽな自分と希望に満ちた人々

孝雄の兄、翔太。売れない学生女優梨花ちゃんと付き合っている。
彼女の芝居に対する熱意に惹かれて付き合い始めたはずなのに、今の自分にその熱量と同じくらい夢中なものが無いことや梨花の妙に社会マナーが備わっていること、それにイラつく自分のガキさなど、劣等感は募っていく。
母は前述の通り、孝雄も夢に向かって進み始めている。そんな環境に触れ続け、自分が空っぽでなにも無いことに気づく。
翔太が孝雄を心配するのは少なからず、これ以上自分の劣等感を広げるようなことはしないでくれって感情とシンプルな兄貴心からの心配なのかもしれない。
劇場アニメでみた優しい兄貴はいなく、そこにはただ劣等感に塗れた一人の人間がいた。

▫️怖さの後ろの本音

こういう教師いたなぁっていう感想とこんなこと考えた結果、こういう教師になったんだっていうのが納得強かった。
生徒の身を引き締める、生徒に怪我をさせないことがマスト。当時はこういう教師に対して負の感情を抱いていたが少し悪い気持ちがした。

彼女の前にまず教師であるという対応を雪野ちゃんにしたのはよくなかったなと思う。
伊藤先生には手を伸ばすことができたかもしれないのに(伊藤先生自体も後悔していたが)。
劇場アニメで、べランダでタバコを吸いながら雪野と通話していたが、普通に元カノの家だった。もっと不倫とかドロドロあるのかと勝手に考えたしまった。

▫️最初に引き金を引いたやつが悪い

相澤。雪野を退職までに追い込んだ人物である。
ただの陰キャが、高校生デビューをして好きだった先生に彼氏を取られたと勘違いをして、追い詰める悪人。でも1番悪いのは彼氏(牧野)である。
相澤もなんだかんだ可哀想な人物像であった。キラキラに憧れちゃうのは、そうだよね。それに、キラキラに向かって歩いて、努力して認められたのはすごいなぁと思った。
ただ根が陰だから、壊れたときにやることが陰湿。
なにがあったかというと、相澤は超絶美人の雪野ちゃんに懐きまくり、初恋もしてしまった。陽キャの仲間入りしていた相澤は、牧野先輩(超陽キャかつカス)と付き合う。恋は盲目だし、もと陰キャがいいように扱われいた。
牧野が雪野ちゃんに言い迫っていることを聞いてしまった相澤は牧野に真相を聞き、誰が悪かったのかを考え、雪野ちゃんが悪いと結論を出してしまう。
なにも語らず、何かあったんだろうなぁというのを匂わせるだけで、周りは勝手に雪野ちゃんを責め、新しいママは教育委員会に雪野ちゃんの授業がゴミですと言う。
雪野ちゃんの生活は一転し、怖くて出社することができなくなってしまったのだ。
相澤は今後も後悔と自責、もしくは忘却することで生きていくんだろうなぁと思う。
こういう女いたなぁって思ったけど、その心中はこんなだったのかなぁなんてね。

▫️母とは何か

孝雄の母、表層的にはだめ母なんだけど、根本は息子を思う良い母になる要素を持ち合わせていたと思う。ただ、メンヘラ気質だから難しいと思う。
仕事に対しては自分の正義があり、息子に対して自分の言ったことを聞く小さいときの息子像を追い求め、自分の年齢に合わない相手と付き合ったり、デートしたり、なかなか若い。
孝雄の成長とともに、過去の自分と向き合って時間の流れと前を向いて歩くことを思い出していてよかった。

▫️エピローグ

劇場アニメは、孝雄が靴を作った時点で終了であるが、本書は、二人が再会するからまで記載されている。
雪野は地元で教師を、孝雄はイタリアで靴を学ぶ。
何通かの手紙をやりとりし、イタリアに留学に行く際に孝雄がメアドを教えた。ただの近況報告のみで、お互い、相手ができたとかはな全く書かなかった。
そんなやりとりをした孝雄が20歳の年に二人はあの東屋で再会をする。
雪野はコーヒーを2つ持って、孝雄は1足の靴をもち。結局その後のその後は記載がないのが新海作品の良いところの気がするけど(考える余地というか)

最後の孝雄が東屋に向かう描写で、エピローグの時の靴はぐっしょり濡れた描写が最初の描写と対比になっていて良かった。
あわよくば2人に幸せが有らんことを。


以上。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?