6月だから「言の葉の庭」を見た【感想】【ネタバレ有】

どうも。あまざらしあざらしです。
普段は総武線に乗ってちゃんと出社しています。

6月には「言の葉の庭」を見た方がいいと、風の噂で聞いたので視聴しました。

▫️あらすじ

雨の日の1限はサボる靴職人を目指すの主人公タカオと朝から庭園で酒とチョコレートを貪り食う自称社会人ユキノの物語。
ユキノはタカオにある和歌を口にする…そこから雨の日の午前中限定の交流が始まる。

▫️感想

ユキノ、序盤は酒とチョコレートばかりだけど、徐々に食事（コーヒー？やら弁当やら）健康になっていってる感がよかった。
ユキノの最初の印象は朝から庭園で酒飲んでるやばいやつって感じがしたけど、どこか闇というか気力というか生命力が感じられないキャラクターであった。（どこか物憂げ？）
ただ、声色とか返事とかしっかりしているから育ち良さそうだなぁと思った。

タカオ、ほんとに高校生か？って思わせる部分とガキンチョだなぁって部分。これを本人も自覚していてるところ最高に高校生って感じがした。
現実と欲望、できることできないこと、やりたいことやらなきゃいけないこと。この板挟み感、高校生なんだ。
タカオ兄の「苦労してないから若いんだよ」が後々、ユキノ（27）は苦労してるだろ…ってなってしまった。

言わずもがな、新海作品の特徴の背景の異常なこだわり。本作もそれが見られた。新海作品の背景の凄さは、ただ単に“綺麗”ということではなく、空気感や匂いそれが感じられることだと思う。（音声の力もあるが）
鳥の鳴き声とか環境音の使い方が上手いのかもしれない。

8月とかいう、一般的な作品において様々なイベント行事があって、話の進展をしやすいのに、“会わない”を選択する勇気、それでいて、長く会いたいと思ってから、9月に入りユキノが“先生”であることを知る。ここの展開は驚いた。
もちろん、タカオはここで初めて知り、ユキノが自主退職まで追い込まれている原因を知り、タカオの精神的な負荷が急に重くなって面白い。

和歌の意味、「雨が降ったらここに止まってくれるだろうか？」で、
返し歌が「雨が降らなくてもここにいるよ」。
これ、ユキノ先生…すでに告白くさいのなんなんでしょうかねぇ

ユキノ宅のシーン。ユキノさんがアイロンかけて、タカオがご飯を作るのすごい幸せ感して良かった。結婚したのか？ってなったわ。普通に。

タカオの告白。ユキノは頬を赤らめて答える。
「ユキノさんじゃなくて、先生でしょ？」
生徒と先生。来週実家に帰る予定のユキノ。どちらの理由で、タカオを一度突き放したのかは不明だが、どちらの意味でもユキノはやはり“優しすぎた”のだ。
その後、一人泣くユキノ。そしてタカオの発した言葉を思い出し…
ここからスピード感すごい。おいおい始まったな…って感じだ。

階段を裸足で駆け下りタカオに追いつく。
こっからタカオが何故かガンダム主人公みたいになる。
やっぱ若いんだよなぁ。臭いというか。
「あんたは！あんたは一生ずっとそうやって大事な言葉は絶対言わないで！自分は関係ないって顔して！ずっと一人で！生きてくんだァ！」
…これ恋愛ものであってるよね？

この感情爆発ガンダム主人公タカオくんは、ユキノに対して俺のことなんかすっぽり忘れて実家に帰れ！っていう優しさなのか。それとも、タカオ自身の傷を守るための言い訳というかユキノのせいで自分は悪くないっていう保身なのか。

ED後
結局ユキノは実家？に帰り、明らかに新宿ではない場所で教職に従事していました。
これが良いのか悪いのか。ラブコメ的な観点で言うと一緒にいて欲しかったって意見もありそうだけど、これはこれで良い結末なのでは？と思う。

ユキノは一人で歩く練習をしていた。結果として歩けるようになり、嫌な思いをした教職を環境を変えて再開。最良の歩き出しであろう。
タカオは生活の片隅にユキノさんは今なにをしているんだろうと考える時間ができたかもしれない。ただ根本の生活にはなにも変わったことはないのでは？と思う。ユキノの手紙に一喜一憂し、靴作りに励むだろう。
各々が個人の道を、手紙で繋がりつつ頑張れるんだろうなぁと思った。故に遠距離でも良い（と思います）。

▫️最後に

歩く練習をしていたのは自分もだったのかもしれないけど的なことをぼやいていました。多分ここが本作の大事な部分な気がする。
ユキノは一人で歩く練習をし、歩けるようになった。タカオは歩けていると思っていたが自分も歩く練習をしていたのだ。つまりは、振り返ってみなければそれが練習であったか、もしくは歩けていたなどと判断ができない。
先が見えない未来だからこそ、一人で歩く努力を怠らないように頑張れ！って啓発的なメッセージが込められているのかもしれない。