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手術の時に見た夢の話⑨

稽留流産の手術をしてから、しばらく腹部に鈍痛があった。 仕事は一週間休んだ。 母が突然お見舞いにきた。 スイカを持ってきてくれた。 冷たくて甘いスイカの味がその時の私の体に染み渡った。 辛かったね、と。 これまでの夫の対応について母も薄々勘付いていた。 私が外に出られないとしって夫が私に買い与えてくれたのはカップラーメンだった。 それを見て、母がうちに帰ろう、といって実家に帰ることになった。 夫のことは特に何も言わなかったけど、私は家のことを何もせずにゆっくり休め

    • 稽留流産手術当日⑧

      少し落ち着いた頃、やっと手術へ 静脈麻酔で手術を。 心の中でずっとお祈りしてた。 「先生がきたら始まりますよ〜」と看護師の方に言われながら私はマスクをつけたりなんなりぱっぱっとされる。 おそらく麻酔が入れられて私はなんだか朦朧としながら、なぜか遠くで楽天カードマンのCMが聞こえて、私は誰かに「先生きたらはじまるって」と伝えようとしてる。   気づいたら私は金田一少年に出てくるような洋館を走っていて、前を走る人に「先生来たら始まるよ」と伝えようと走っている。前に走る人は

      • 稽留手術の日⑦

        朝起きて、支度をして家を出る時  夫は寝ていた 私が家を出る時も寝ていた 私はそのまま家を出た バス停に向かって歩いている時に 私が通っている教会の牧師からLINEが来ていた ここのところ日曜礼拝に行かれていなかったから、気にかけてくださったメッセージだった 私は立ち止まって、牧師先生にメッセージした 「実は、流産してしまって、これから手術です。」 するとすぐに電話が来た 牧師先生から 「それは辛かったね、お祈りしています」 そう言われて、私は自分でもびっ

        • 稽留流産手術の前⑥

          流産がわかってから手術までに4日くらいあった。 その間、私は夫と流産のことについて一言も話さなかった。 手術の日はラインで伝えた。 でも、了解、しかこなかった。 私は姉に連絡した。 姉も流産の経験がある。 「エコーで赤ちゃんの心臓が止まっていることがわかったとき、先生に言われるよりも先に自分の中でわかるよね」って。 「やっぱりってなるよね」って。 すごくわかる。私もそうだった。 自己防衛なのか、なんか自分で一瞬にしてその事実を受け止めようとするような。そんな感覚。

        手術の時に見た夢の話⑨

          稽留流産⑤

          たしか3.4回目の受診 つわりも出てきた頃 エコーを見て先生が何かいう前に あ、ダメかもしれないダメかもしれないって私の中で何度も言ってた そしたら先生が 心拍が聞こえないねって 私はぼーっとみてた 二つの胎嚢が動かないままで 心がないような 命がないのがわかった いつも言葉数の少ない先生が これはあなたのせいではなくて 染色体の問題で と色々話してた わたしは、はいって答えてた 身体がまだ妊娠していると思ってつわりが残ることがある 早く手術しましょう そ

          稽留流産⑤

          双子④

          2回目の検診の時かな 先生から 双子ですね〜 と言われた。  えーーー! それは全くの想定外。 その驚きもあったけれどもそれよりも、 よかった、生きてる だった気がする。 双子ということよりもエコーを見て、生きていることが確認できたことにホッとした でもだんだんだんだん 双子かー!と思い始める。 助産院では産めないなー とか もう自分の中で双子を受け止めている 夫に話さなきゃ!!とかそういう気持ちがあまりなかった 夫よりも先に姉に連絡した すごいね、嬉

          妊娠していた時に思ったこと 喜ばれた命③

          とにかく、snsを見ていた。 同じ週数の人や、その時期の投稿など、わかるわかると共感したり、これから変わっていくことを想像した。 この嬉しいこと早く話したいな そう思いながらも、まだ誰にも話さなかった なんとなく、まだ話さない方がいいと思っていた でも、姉にだけ、不妊治療の相談をしていた姉にだけは連絡した。 同じく不妊治療を経験していた姉は、とても喜んでくれた。 私は自分のことこんなに喜んでいたかな?と思うほどに姉が喜んでくれた。 それがとても嬉しくて、この声がこの

          妊娠していた時に思ったこと 喜ばれた命③

          妊娠②

          妊娠検査薬で陽性が出た びっくりした でも、すぐには夫に言わなかった まず、病院へ行った 検査の前に体重を測り、尿検査 久しぶりに測る体重に衝撃を受けて、 痩せなきゃ〜でも、それは産んでからか〜 なんて、思っていた。 エコーを見てみると小さな小さな胎嚢が。 まだ小さいけれど、妊娠が確認された。 あ、お母さんになれちゃった と、不思議な気持ちだった。 夜、帰ってきた夫に報告した すると、 わー!よかった! これで俺もレベルアップだ〜 喜んでくれていることが嬉し

          お母さんになりたい①

          お母さんになりたかった。 結婚してしばらくしたら、周りと同じようにお母さんになるだろう。 出産は、あの助産院がいい こういう服着せたいな おもちゃは木のものがいいな お家のここは、おもちゃ置き場にしたいな そんなことをずっと思い巡らしていたのに、なかなか妊娠しなかった。 不妊治療を始めた。夫も前向きだった。 夫は私に対して興味のない人だった でも子どもが欲しいということは、共通していた 生理が来ると、あからさまにがっかりをされた 夫はなにもかも中途半端にこなす私

          お母さんになりたい①