稽留流産手術の前⑥


流産がわかってから手術までに4日くらいあった。
その間、私は夫と流産のことについて一言も話さなかった。
手術の日はラインで伝えた。
でも、了解、しかこなかった。

私は姉に連絡した。
姉も流産の経験がある。

「エコーで赤ちゃんの心臓が止まっていることがわかったとき、先生に言われるよりも先に自分の中でわかるよね」って。

「やっぱりってなるよね」って。

すごくわかる。私もそうだった。

自己防衛なのか、なんか自分で一瞬にしてその事実を受け止めようとするような。そんな感覚。


手術の前日
明日の手術には1人で行くのだろう。
夫はついてこないのだろうか。

夫は明後日から新しい会社へ転職する最初の出勤の日。
だから明日の手術の日は、仕事はない。

でも、この人のことだから来る気はないだろう

なんか、イライラしてきた

怒ってもいいよね、私

そして、アプリのゲームをしている夫に

「私明日手術なの
流産について2人で一言も話してないよね
なにか思ったりしてる?
明日はついてくる気とかある?」


「えーどうやって?」


「そのつもりなかったよね。いいや、私1人で行くから。
流産って私だけの問題なの?
なんか2人で乗り越えるものだと思ってた」


すると、大きなため息をついてタバコを持って家を出てった

あーもうだめだこいつ

もちろん、ついてきてって可愛く言えればついてきてくれたのかもしれない。うん、きっとそう。私の可愛くないところだ。でもさ、でもさー。


夜に母親に電話した

「実は、妊娠してた でも流産したの
だから明日手術するけど、何かあった時の連絡先をお母さんにしてもいいかな?夫は仕事だから。」

母は、大丈夫なの?と心配していたけど。私は気丈に、大丈夫。しょうがないことだから。と伝えた。
気丈にというか、本当にそう思ってた。

先生言ってたもん
しょうがないこと
しょうがないこと


明日手術、怖いな〜。

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