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「狙いのあるボール運び」をするために知るべきこと

「ボール運び」とは、ボールを相手から奪い取ってから、シュートのために都合のよい位置までボールを移動させることです。主にパスやドリブルが「ボール運び」のためのプレーです。

バスケは、リバウンドによってボールを獲得して、パスやドリブルでボールを運び、そしてシュートするというゲームです。

今回の記事では、この「ボール運び」について考えていきます。
「良いパス」「良いドリブル」を理解することで、目的や狙いを持ったボール運びができるようになります。


パスとドリブルの「2つの狙い 」

パスやドリブルの主な狙いは、以下の2つです。

・ボールをゴールに近づける
・ボールをディフェンスから遠ざける

この2つの両方、またはどちらかを満たすプレーは、チームの状況を良くするプレーだと言えます。

この2つのプレーが「良いプレー」である根拠は、バスケはレイアップと3ポイントを優先的に狙うべきゲームであるという考えに基づいています。


ボールをゴールに近づけることの目的

ボールをゴールに近づけることの目的は2つあります。
1つ目は、レイアップを狙うことです。完全にオープンなレイアップは当然有効ですし、多少ディフェンスにマークされていても、レイアップであればシュートする価値があります。
2つ目は、パスの起点になることです。ボールがゴールに近づくと、有効なアシストパスをする機会になります。


ボールをディフェンスから遠ざけることの目的

ボールをディフェンスから遠ざけることの目的は、単に「オープンになる」ということです。

3ポイントラインの外でディフェンスを引き離すことによって、オープンな3ポイントシュートを打つことができます。

3ポイントシュートは優先するべきシュートですが、ディフェンスにマークされた状態でシュートしても成功率は低く、有効なシュートにはなりません。
そのため、「オープンな3ポイントシュート」をすることを目指さなければいけません。


両方に当てはまることが最高

もしオープンなレイアップができれば、80%〜90%以上の高いシュート成功率が期待できます。
これは、他のどんな選択肢よりも得点効率が高いため、常にオフェンスの最優先事項であるべきです。


これらの考えをシュート選択の優先順位と合わせて図にすると、次のようになります。


※この記事の「パス」という言葉にはオフボールの選手の動きを含みます。パスはボールを投げる人と受ける人の2人がいて成立するものだからです。

 

以下、具体的なプレーの例を紹介します。
これらが全てではないので、イメージをつかむための参考にしてください。


ボールをゴールに近づける

ゴール近くへカットする

バスケットカットは、最も強力なプレーです。

ディフェンスが強くディナイをしてパスを防いできたり、スクリーンプレーに対して3ポイントシュートを警戒して密着して守ってきた場合などに有効です。

また、自分のマークが他の選手へのヘルプに気を取られている時も、バスケットカットが狙えます。


ゴール近くでポストアップする

ポストアップも、ボールをゴールへ近づけるプレーです。

ポストとしてパスを中継することで、次のプレーの起点になります。

ポストアップとバスケットカットやスクリーンを組み合わせると、とても強力なプレーになります。

また、もし他のディフェンスがヘルプに来なければ1on1でレイアップを狙う大きな機会になります。


ドライブしてゴールに近づく

ボールを持っている人が自分でドリブルしてゴールに近づきます。
1on1や1on0の状況だけでなく、オンボールスクリーンを使うこともできます。

レイアップができれば当然狙いますが、ポストアップと同じようにパスの起点になることも有効です。「ディフェンスを抜ききれなかったら失敗」と捉える必要は全くありません。
ゴールまで進めなかったとしても、冷静に周りを見て良いチャンスがないか探せば、有効なプレーになります。

ボールをディフェンスから遠ざける

自分をマークするディフェンスがヘルプした時に移動する

ディフェンスがヘルプをすると、他の選手のプレーによって、自分のマークが緩くなります。

その時に、さらにディフェンスから遠ざかるように動くことでオープンなシュートを狙います。


オフボールスクリーンをつかってオープンになる

スクリーンでディフェンスのマークを引き離して3ポイントシュートを狙います。

もしディフェンスが3ポイントを警戒していれば、バスケットカットが狙えます。


オンボールスクリーンを使ってディフェンスを引き離す

オンボールスクリーンによって、ディフェンスから離れられる場合があります。

ディフェンスがスクリーンの下側を通って、先回りするように守ってきた場合には、3ポイントシュートが狙えます。


ドライブのフェイントをしてステップバックする

ディフェンスがドライブを警戒してきた時は、ステップバックをすることで3ポイントシュートが打てる場合があります。


時には「ボールを守る」ことも重要

これらのプレーは「得点する」という目的に対しての「良いプレー」です。

補足しておきたいのは、「ボールを取られてはいけない」ということです。

もしボールを取られそうになったら、一時的にボールを安全な位置に逃すことが当然良いプレーになります。


おしまい

今回は、パスとドリブルの狙いについて紹介しました。

この記事の内容を頭に入れて、日本や世界のトップレベルのチームや選手がどのようにプレーしているか見てみてください。

パスとドリブル(= ボール運び)についての理解を深めることに役立つと思います。

パスとドリブルが「ボール運び」であるという考えについては、こちらの記事で紹介していますの、ぜひご覧ください↓


ではまた。(塩野)

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