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或虎
2022年7月14日 22:31
河原に腰掛け、集めた小石、端の方から一つ取っては、スナップ効かせて川面に投げる。 失った友。 去った恋人。 亡くした親のことなどを想い。 秘蔵の平べったい石コレクションを、夕陽で味付けされた赤スープに向かって、ひたむきに投げ続けていると僕は―― 石一つ投げるたびに僕は――自分の体積が少し失われていくかのような感覚になって――つまり僕は、石一個投げると、石一個分の僕が、川面を跳ねて跳ね