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『雨がやんだら』を読んだ
2日前に読んだ。
椎名誠さんの『雨がやんだら』
ちょっとやられた。
悲しくて悲しくて、ううっとなった気持ちがまだ
少し残っている。
椎名誠さんは食ベモノや旅モノの作品しか読んだことがなく、初期SF作品を読んだのは今回が初めてだ。
漂着してきた男たちが暮らす南の島。その南の島の「夏の日海岸」に「生き甲斐海流」が運んできた小さな箱。箱の中から出てきたのは、木彫りの人形とプリズム、そして水を吸ってすっかり膨らんだ一冊のノートだった。
海。漂着。
ちょうど最近、仕事で関わる中学生の生徒さんたちと海の怖さについて話をしていたところだ。
1人の男子が、「この前水族館に行って水槽を見ていたら急に怖くなった。今まで何ともなかったのに...」と言い出したことがきっかけだった。海がもつ青くて暗い怖さ...ゾクッとする感じ。彼の気持ちが何となく分かるような気がした。結局はジョーズや潜水艦などへ話が膨らみ楽しく会話は終了したが、ちょっとだけ頭の中に海の怖さが残っていたような気がする。だから、作品に出てくる海や川に暗い影のようなものを被せて読んでしまったのかもしれない。
そして、そして、何よりも漂着した箱の中のノートの内容が辛すぎた。久しぶりに感じる切ない悲しさだった。うううっとやられつちまった悲しさ。日が経つと薄れていくと思うけれど。
どうしたもんだ。
別の感覚で上書きすればよかろう。それしかない。怖ーい海を、ナンセンスで面白い海にかえるとしよう。よい絵本を思い出した。
悲しさをちょっと飛ばせそう。
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“つぎの あさ、うみべに いくと、 オバケが ながれついていました。 オバケが「おーはーよー、ござーい、まーす」と、 あいさつをしたので、 わたしも「おーはーよー、ござーい、まーす」と、 あいさつをしました。 オバケは、よろよろと いってしまいました。”
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